第19回 マンドリン独奏曲 「美しき我が子や何処」による主題と変奏曲
第19回は、中野二郎作曲の「美しき我が子や何処」による主題と変奏曲Op.19です。落葉の唄と同じですが、今年に演奏を予定している曲なので、取り上げてみました。
2020年に演奏を予定している曲で、まだ練習中ですが、完成度を高めるためにもこれまでを振り返ってみようと思いました。
「美しき我が子や何処」による主題と変奏曲
中野二郎作曲作品のなかでも最も美しい曲ではないかと思いますが・・・最も難しい曲でもあると思います。
自分が弾いてみた動画です。ここまでの道のりが長かったです。
【マンドリン独奏曲】「美しき我が子や何処」による主題と変奏曲 を弾いてみた。
おそらく編曲作品であり、原曲があるんだろうと思います。原曲は教会音楽ではないかと推測しますが、わかりませんでした。
上手いかどうかというより、指が長くないと弾けないフレーズがあるため、誰でも演奏できる楽譜ではないです。このためか、あまり広まらず、背景や経緯もわからないのではないかと思います。
曲の構成や特徴
曲の構成は、イントロ、テーマ、バリエーションであり、「祈り」と同じ構成です。両方ともよく似ているなと思いました。
祈りは記事にしていますので、見てください。
最初に美しいイントロがあります。このイントロを聴いて、弾きたくなりました。「祈り」も美しいですが、どちらかというと「美しき我が子や何処」が気に入っています。
イントロの後はテーマです。テーマを提示し、バリエーションに続くのは中野二郎作品の特徴かなと思います。
バリエーションでテーマが展開されていきます。アレンジを変えて5番までバリエーションが続きます。
10分以上の大作なので、体力が必要な曲です。
この曲が弾いたことがない、あまり広まっていないのは、左手が押さえられないポジションがあるからです。というか押さえられるのは、指が長い奏者だけです。バリエーション2に、2弦のファやミを押さえながらハイポジションのラの音を押さえてダブルノートでトレモロを弾くフレーズがあります。
多くの奏者は、押さえられないです。マンドリンは女性の割合が多い楽器ですが、女性の短い指だとポジションをとるのが難しいです。このために広まらなかったのではと思います。
このフレーズほどではないですが、他にもポジションがとりにくいフレーズがあります。奏者なら誰でもですが、ポジションがとりやすい曲を選びたいと思います。
選曲の経緯
「祈り」でも書きましたので、簡単に書きます。「祈り」を知り前にこの曲を聴いて、感動しました。「美しき我が子や何処」の楽譜が欲しくて、先生に相談したところこの曲を知らないと言われました。この曲では?と渡されたのが「旅愁による変奏曲」でした。「旅愁による変奏曲」はこの記事で書いています。
2018年は「旅愁による変奏曲」弾くことになりました。
先生から楽譜が見つかったよと聞き、弾いてみたら・・・とてもじゃないが弾けたものじゃない・・・そう思って、2019年に後回しにしました。
しかし、「祈り」と比較し、「祈り」の方が弾けるかなと思って2019年は「祈り」になりました。
2020年にようやく選曲候補となりました。暇をみつけて弾いていたかいがあって、ようやく選曲できることになったわけです。
「美しき我が子や何処」の練習
事前に練習してレッスンに望んだのに、全然できていなかったです。「祈り」でアルペジオを練習していましたが、理想と離れていました。
最初の練習の頃のアルペジオはこんな感じです。
マンドリン独奏曲「美しき我が子や何処」のアルペジオを練習中!!
アルペジオのトップ音がメロディですが、メロディになっていないです。遅いわけですね。テンポアップしたいけど、なかなかあげられない状況が続きました。
アルペジオは、意外と難しいです。ベース音を聞きながら、トップ音がメロディになるように弾かなければなりません。中野二郎さんのアレンジ能力の高さはさすがだと思いました。
次に困ったのがイントロです。印象に残る美しいメロディです。トレモロのメロディを引き立てるようにコードの伴奏があります。
伴奏ですので、先にコードがなって、その後にメロディが聴こえるのが原則です。デュオ奏法は全般的にこういう聴こえ方になる必要があります。
しかし、スラーを意識するあまり、メロディが先に聴こえていました。
こんな感じです。
マンドリン独奏曲「美しき我が子や何処」イントロからテーマを練習中!!
意識していますが、自分では気がつかないものです。判断能力は、奏者にとって、重要ですが、自分はまだ判断能力が足りないと思うことがよくあります。耳が良いことと判断能力は別かなと思いました。
こういった課題を見つけては、レッスンで修正する作業を繰り返していました。ある程度できたかなと思って録音してみたのが、この動画です。
【マンドリン独奏曲】「美しき我が子や何処」は難しいけど演奏しがいのある曲です。
しかし、まだまだでした。
スラーとスラーの間に隙間が多い とかの指摘事項がありました。
対策として、左手を上げ過ぎない、ポジションチェンジを素早くできるように意識しました。これまでに弾いた曲で、ある程度の自信を持ったところで、「美しき我が子や何処」にチャレンジしましたが、まだまだ課題がありました。
その後のレッスンでおおよそのことが修正できてようやく整ってきたなと思いました。まだまだ修正点はあるかと思いますが、本番までにはなんとか間に合うのかな・・・と少しだけ思っています。
後は、微修正だけだね と先生から言われればほぼ合格レベルですが、そこまで言われていませんね。順調だねと言われますが・・・
まだまだ練習中ですが、本番に向けて頑張ります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。