マンドリンを弾く技術士

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第16回 マンドリン独奏曲 祈り(Preghiera 中野二郎作曲)を広島市東区民文化センターで弾く!!

第16回は、中野二郎作曲のマンドリン独奏曲「祈り(Preghiera)」です。綺麗なメロディの割には、弾いている奏者が少ない曲です。

自分が演奏会で弾いた曲のなかでも思いれの深い曲でもあります。曲のことや選曲した経緯、練習方法を説明します。

 

 

マンドリン独奏曲「祈り(Preghiera)」

演奏会で自分が弾いた動画です。動画と言っても音声に背景が付けただけですが、録音状態が良かったと思います。


【マンドリン独奏】祈り(Preghiera)

 自分が師事する先生の教室の演奏会で弾きました。場所は、広島市の東区民文化センター小ホールです。

1年かけて練習した結果、納得のいく演奏ができたと思いました。

 

選曲の経緯

初めて聴いたのは、YouTubeでプロの奏者が演奏している状況でした。綺麗なメロディだなぁ と思ったと同時に、長い曲だなと思いました。

綺麗なメロディの割には、演奏していることを聞かないな と不思議に思って、先生に聞くと、曲が長く、難易度も高いため、演奏する奏者がいないと聞きました。YouTubeを聴き直してみると納得しました。

弾くかわからなかったですが、楽譜があるか先生に聞くと、中野作品の楽譜集に収められており、すぐに入手できました。確かに難しそうだ・・・と納得しました。

楽譜を受け取ったのは2017年でした。この時は中野作品で「旅愁による変奏曲」を練習していること、他に「美しき我が子や何処」を演奏してみたかったことから、おそらく弾かないだろうと思っていました。

先生から「美しき我が子や何処」の楽譜を受け取り、弾いてみると・・・難しい・・・難易度は「祈り」と同じかそれ以上かと感じました。2019年の演奏会に向けて選曲を進めなければならない段階になり、迷った結果、「祈り」を選曲しました。決めては特にありませんが、どっちも弾くなら、先に楽譜を入手した方にしようと思ったわけです。

 

祈りの練習

練習を始めたのは、2018年の春頃からです。

2018年の演奏会が終わっていない段階ですが、演奏会終了後の翌週から2019年に向けてレッスンが始まることを想定して練習を開始しました。演奏会終了後はゆっくりしたい気持ちがありますが、マンドリンを弾くことが好きなので、休みなく練習することにしました。

楽譜の確認

楽譜が何枚あるんだ? と最初に思いました。5枚あり本番は悩むんだろうと思いました。楽譜のめくりは演奏が中断するので、暗譜するようにと言われますが、とても暗譜ができる楽譜じゃないです。

デュオ奏法やアルペジオばかりでリズムに苦労しそうだと思いました。実際にそのとおりになります。

祈りを練習する

弾いてみると、なぜ綺麗なメロディの割に弾かない奏者が多い理由がなんとなくわかってきました。

ところどころ弾きにくいデュオ奏法があることです。デュオ奏法は、上がメロディ、下が伴奏が原則です。1弦や2弦でメロディを弾き、3弦や4弦で伴奏を弾くことが多いですが、祈りは、逆になっているフレーズがあります。高い音で伴奏をとり、低い音でメロディを弾くわけです。これがどのような効果があるのかわからなかったのですが、難易度が高いフレーズが存在することがわかりました。

引いてしまったのが最後のアルペジオフレーズでした。

メロディがないのはなぜ? と疑問に思っていましたが、先生から聞くとアルペジオのトップの音がメロディなので、速く弾かないとメロディに聴こえないということでした。速く弾いているつもりでもメロディには聴こえないので、どんだけテンポをアップしていいのかわかりませんでした。

作曲者の中野二郎さんは、自分で弾いて効果を確認したらしいですが、先生を含めて誰も見たことないので伝説のようになっています。

1年かけて練習して、テンポアップしてきたので、動画を撮ってみました。


【マンドリン独奏】PREGHIERA(祈り)

録音状態が良いとは言いにくいですが、形にはなってきたなと思いました。本番の3ヶ月前です。

この後は、先生からの指摘事項をひたすら直していく練習方法をとりました。一つずつ指摘事項を潰していくことで、完成に近くわけです。

 

本番の演奏 

2019年から演奏会場が廿日市のサクラピアから広島市の東区民文化センターに変わりました。

東区民文化センターは、奏者に人気のある会場です。音抜けがよく響くためです。会場は小ホールで50名程度です。サクラピアは小ホールといっても200人くらいの収容能力がありますので、お客さんの人数は減りますが、奏者の立場からは、人数はそれほど気になりません。自分のことで目一杯な状況なわけです。

写真はリハーサルの状況です。最後列から撮影していますので、小ホールの様子がわかるかと思います。

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9時頃に教室の奏者の中で一番にリハーサルを行いました。10分のリハーサルのなかで会場の音抜けの感じを確認しました。客席に先生が一人座っていて、チェックします。本番よりもこちらの方がプレッシャーがあります。

本番までは何度も弾いたり、記念撮影したりとバタバタしながら本番を迎えました。オーケストラで出演する先輩の方々から差し入れをもらいましたが、とても食べれる余裕はありませんでした。

午後に開演し、個人の部で演奏しました。演奏した様子が一番上の動画です。緊張対策を行なったかいがあり、落ち着いて弾くことができました。満足する演奏でしたので、演奏後の開放感がはんぱなかったです。

その後は、他の生徒さんの演奏を聴いてすごしました。どの生徒さんの演奏も素晴らしい演奏でした。

 

最後に

自分にとっては、ターニングポイントになった演奏かもしれません。まだ自信はないですが、独奏するマンドリン奏者という立ち位置を確立できたのかなと思いました。

教室の中では、最も未熟な生徒だと思っていますが、少しは成長できたのかなと思いました。これが今回の成果です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。