第33回 技術士二次試験 口頭試験の実務能力の想定問題を作成しよう。
あけましておめでとうございます。
新年最初の記事は、口頭試験の想定問題についてです。今年度に口頭試験を受験する方は正月も勉強していると思います。その助けになれば幸いです。
技術士二次試験の口頭試験の配点は以下のとおりです
1.技術士としての実務能力:60点
- コミュニケーション、リーダーシップ:30点
- 評価、マネジメント:30点
2.技術士としての適格性:40点
- 技術者倫理:20点
- 継続研鑽:20点
実務能力の配点が高く、その分、問題も多く出されますが、適格性も合格レベルに達しないと落とされてしまいますので、実務能力、適格性とも想定問題を作っておく必要があります。
1.コミュニケーション、リーダーシップの想定問題
実務能力は、主に受験者の履歴、論文及び筆記試験の回答から質問されます。この中からコミュニケーション、リーダーシップ、評価及びマネジメントに関する質問があります。筆記試験の回答からコミュニケーションやリーダーシップの問題を作るのは難しいかもしれませんが、履歴、論文及び筆記試験からコミュニケーション、リーダーシップ、評価及びマネジメントの問題を作ります。
口頭試験のコミュニケーションとは何か?
日本技術士会のホームページには以下の記載があります。
- 業務履行上,口頭や文書等の方法を通じて,雇用者,上司や同僚,クライアントやユーザー等多様 な関係者との間で,明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。
- 海外における業務に携わる際は,一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え,現地の社会的 文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。
上記の2点を踏まえて想定問題を作ります。2つ目は海外におけるとありますので、海外勤務の経験がなければ1つ目が主に質問されます。
「明確かつ効果的な意思疎通を行うこと」とありますので、履歴や論文からどのように上司や同僚と意思疎通を行ったか答えれるように整理します。整理ができれば、想定問題を作成します。
例えば・・・
- 履歴書の●●の業務について、どのように意思疎通をはかったか説明してください。
というように想定問題を作成します。整理したことを回答にします。
次にリーダーシップです。
日本技術士会には以下の記載があります。
- 業務遂行にあたり,明確なデザインと現場感覚を持ち,多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。
- 海外における業務に携わる際は,多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに,プロジェクト 等の事業や業務の遂行に努めること。
コミュニケーションと同様に想定問題を作ります。「多様な関係者の利害等を調整し取りまとめる」とありますので・・・
- 論文の業務について、どのように多様な関係者の利害を調整したのか?」と想定問題を作ります。
2.評価、マネジメントの想定問題
日本技術士会に「評価」について、以下のとおり解説があります。
- 業務遂行上の各段階における結果,最終的に得られる成果やその波及効果を評価し,次段階や別の 業務の改善に資すること。
「成果や波及効果を評価し、次段階や別の業務に資すること」が聞かれそうです。
例えば・・・
- 論文の業務の成果や波及効果を説明してください。
- 次に別の業務の改善に適用したことがあれば説明してください。
というように聞かれます。論文だけじゃなく筆記試験の回答からも問題を考えましょう。
例えば・・・
- この回答について、別の業務ではどのように改善することが考えられますか?
というように想定問題を作成します。
マネジメントは以下の解説があります。
- 業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において,品質,コスト,納期及び生産性とリス ク対応に関する要求事項,又は成果物(製品,システム,施設,プロジェクト,サービス等)に係 る要求事項の特性(必要性,機能性,技術的実現性,安全性,経済性等)を満たすことを目的とし て,人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。
長々と書いていますが、資源の配分に着目して問題を作ります。
例えば・・・
- 論文の業務について、人員や予算について、どのような考えで配分しましたか?
と想定問題を作成します。
3.ポイント
想定問題のヒントは、日本技術士会のホームページにあります。試験制度改正のページなどを読んでおくと聞かれそうなことが見えてきます。
やみくもに問題を作らずに、何を求められているのか考えると効果的な想定問題が作成できます。試験制度改正後、口頭試験の回数が少ないので試験経験者も少ないですが、背景を考えれば質問も見えてきますので、合格確率を高めて勉強しましょう。