マンドリンを弾く技術士

マンドリン独奏曲やマンドリンの弾き方、技術士、本などのブログです。

第28回 マンドリンレッスン 左手の練習方法 メロディと伴奏を別々に練習してマンドリン独奏曲をマスターする。

マンドリンの左手の演奏技術をいくつか説明します。弦楽器は右手が重要ですが、かといって左手を手抜きで良いわけではありません。左手も練習が必要なんです。

 

 

左手を先に押さえる

右手と左手が一致すれば綺麗な音が出ます。

音程のあるフレーズでは、左手が遅れやすくなり、押さえる前にピッキングするため、音が濁ったり、違う音がでます。このため、右手で弾くよりも左手を早く押さえるようにすればミストーンや音が濁ることを防ぐことができます。

練習の方法を動画にしました。


【マンドリンレッスン】左手を先に押さえてクリアな音色を出そう!!

やみくもに弾いても左手が早くなることはないので、ゆっくり弾いてみて間隔を掴むことが大事です。

間隔をつかめば、テンポをアップしてみて先に左手が動いているか確認してみます。

注意点があります。音符の長さが短くなりがちですので、リズムが正確かどうかメトロノームを使って、確認します。

左手が早いといってもワンテンポも満たないので、本人でしかわかりません。左手が右手を引っ張る感覚を掴めるのが良いですが・・・このあたりの説明は難しいです。

 

左手を押さえたままにする

マンドリン独奏の必須であるデュオ奏法は、2つのパートを一人の奏者が弾く演奏技術です。このデュオ奏法も左手が重要です。

左手を押さえたままにすることで音が残り、残ったうちに別の音を弾きます。これがデュオ奏法です。音が残ることで、メロディと伴奏を一緒に弾くことが可能になります。

どうやって練習するかの動画です。


【マンドリンレッスン 】左手を押さえたままで独奏曲を弾く

 左手と言いながらも聞くことも重要ですが、左手を説明します。

伴奏は、特に左手を押さえたままにするフレーズが多いです。押さえたままにすることで、音が残り、伴奏を弾いていることになるためです。

左手を押さえたままにするには、指を動かさないことです。簡単なことですが、これが難しいです。左手の指を離してしまうのは、メロディと伴奏の進行によって指を動かす必要があるためです。

奏者は余裕をもって運指をしたいので、指離れが早くなります。指離れが早くてもポジションチェンジが遅いので、音が切れてしまいます。

そのため、対策は、ポジションチェンジを早くすることです。ギリギリまで左手を押さえたままにして、ポジションチェンジを早くします。そうすると左手が押さえたままになり、音が残ります。

 

どうやって練習するかですが、以下の動画のとおりです。

 


【マンドリンレッスン】メロディと伴奏を分けて弾く練習方法

 メロディと伴奏をわけて弾く練習です。

メロディと伴奏を別々に練習して、最後に合体させてメロディと伴奏を同時に弾きます。時間がかかりますが、確実に成長できる練習です。

急がば回れの練習方法です。

メロディと伴奏の進行と押さえ方が個別に把握できるのがメリットです。

ただし、注意点があります。

メロディと伴奏を別々に弾くときとデュオ奏法で弾くときも左手のポジションは同じにする必要があります。ポジションがばらばらだとメロディ、伴奏の進行のみしか理解できないためです。さらに、デュオ奏法で弾くときにポジションを考える必要があります。

最初にポジションを統一すれば、後からポジションを考える必要がなくなります。

以下の練習方法です。

  • デュオ奏法時のポジションを確認する。必要により楽譜に指番号をかいておく。後からポジションを考える必要がなくなります。
  • デュオ奏法のポジションでメロディを練習する。メロディのスラーが切れていないか聞く、ポジションに無理があるようなら修正する。スラーを守れていればとりあえず完了とする。表現はデュオ奏法からで十分です。
  • 伴奏をデュオ奏法のポジションで弾いてみる。メロディと同様にスラーが守れていること、リズムが正確であることを確認する。必要によりポジションを修正する。メロディと順番が逆になっても良いです。
  • デュオ奏法で弾いてみる。正確に弾けていることを確認する。スラーが守られていること、リズムが正確であること。
  • 繰り返し練習する。他に良いポジションを思い浮かべれば修正する。

 

こうやって練習を続けていけば、左手が押さえたままになり、デュオ奏法ができるようになります。ちなみに耳もよくなります。耳がよいとは、複数の音を聴き分けれる能力が向上することです。

最初は時間がかかりますが、繰り返し練習まで進めば、自然に出来るようになります。

 

どんなフレーズを練習するか

写真のような複雑なフレーズでメロディと伴奏を分けて練習するのも良いですが、難易度が高いかと思います。部分的に練習するのは悪くないと思います。難しい楽譜でも部分的に抜き取って、練習します。これを繰り返せば、曲全体を習得できることになります。

難しい曲でも練習方法しだいで何とかなるということです。行き着くところはマンドリン独奏曲の習得ですが、その過程のデュオ奏法が上達すれば目標の達成になります。

その後は、簡単な曲で練習すればマンドリン独奏曲の習得も早くなります。トロイメライなんかは良いかと思います。

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トロイメライは過去に書きましたので、参考にしてください。

hiromandolin.hatenablog.com

 

完全にマスターするには時間がかかりますが、アルペジオも練習に良いです。アルペジオはリズムが同じなため、練習しやすいです。

アルペジオならトップの音とベース音を練習します。中間音は無視しても良いです。

トップの音はメロディであることが多いので、トップだけ練習します。ポジションの取り方はアルペジオを弾くときと同じにします。

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左手の向上は右手よりも難易度が低いと言いますが、どっちも難易度が高いと思います。練習すれば確実に向上しますので、毎日少しでも練習するとマンドリン独奏曲を弾けるようになります。

最後まで読んでいただきありがとうございます。