マンドリンを弾く技術士

マンドリン独奏曲やマンドリンの弾き方、技術士、本などのブログです。

第11回 マンドリン独奏曲 「降誕歌 Christmas Song」

第11回は、マンドリン独奏曲の降誕歌です。Christmas Songでして、12月に弾かれることが多いです。

メロディが美しく、多くの独奏者で弾かれています。久しぶりに弾いてみてあらためてそう思いました。

 

 

降誕歌について

動画でどんな曲なのか聴いてみてください。自分で弾きました。


降誕歌 Christmas Song played by mandolin

A4で1枚の楽譜ですが、繰り返しがあるためか、省略して弾く奏者も多いです。この動画も一部省略しています。コンサートは、会場を借りた時間がありますので、繰り返し部分を省略して時間短縮することは、降誕歌に限らずよくあることです。

クリスマスソングのため、クリスマスの時期に弾くことが多いようです。クリスマスに弾く時は、降誕歌とはいわずにクリスマスソングで弾くこともあります。クリスマスソングと言った方が馴染むのかなと思います。クリスマス以外の時期では、降誕歌の名前で弾くことが多いのかなと推測します。自分でもクリスマスの時期以外では、降誕歌の名前で弾くと思います。

 

降誕歌を弾いた経緯について

降誕歌を弾いたのは、独奏の練習が目的でした。

独奏を始めた頃は、デュオ奏法に慣れていなかったので、難易度の高い曲は弾けませんでした。難易度があまり高くない曲として、先生から渡された楽譜が降誕歌でした。先生が試し弾きしてくれて、これは良い曲だなと思いました。

ちょうどトロイメライの練習が終わりに近づいていることが見えている頃で、トロイメライよりも難易度の高い楽譜として先生が選ばれたようです。

A4で1枚の楽譜のためか、簡単そうに聴こえるけど、音符をずいぶん詰め込んでいる印象がありました。

トロイメライがある程度弾けるようになったので、次に降誕歌で独奏の練習をしようと思いました。この頃は、独奏の練習なので、コンサートで弾こうとは全く思っていませんでした。振り返ってみれば、この頃に先生門下生による演奏会がありましたので、トロイメライや降誕歌で参加しておけば良かったとちょっと後悔しています。

 

降誕歌の練習について

降誕歌の楽譜には、伴奏部分は全てスタッカートと指定があります。スタッカートですが、6/8拍子で1拍目や3拍目はコードが多い楽譜です。指定どおりなら音を切るように弾きますが、コードなので、ジャラ〜ンと伸ばすように弾きました。他の奏者による演奏や先生からの指示も伸ばすようにとのことでした。

市販の楽譜のためか、指番号が指定されており基本は指定どおりに弾くことにしました。

楽譜全般がデュオ奏法なので、先生の目的はデュオ奏法の習得なんだなと理解しました。デュオ奏法のことは以下の記事で書いていますので、参考に確認していただければ幸いです。

hiromandolin.hatenablog.com

トロイメライよりもコードの伴奏が多いためか、メロディがつながらないことが最初の課題でした。コードを弾くたびにメロディが切れている状況です。デュオ奏法ではよくあることです。

作曲者は、コードによる伴奏を好んでいるようで、他の曲にもコードを伴奏に使う割合が高いようです。

メロディ+コードだとコードよりも先にメロディを弾いてしまったり、上記のようにメロディが切れたりします。コードよりも先にメロディを弾くとは、メロディのスラーに気を配りすぎてしまうことが原因です。メロディをつなげるように弾くことを意識しすぎて、メロディを先に弾いてしまいます。

対策は、メロディとコードを別々に弾いてみます。慣れてきたら、メロディとコードを合わせて弾いています。メロディとコードを独立して練習することで、遠回りのように感じますが、効果のある練習です。気をつけないといけないのは、左手の押さえ方は、メロディ+コードを弾く時と同じにします。そうすることで、独立した練習から合わせて弾く時にスムーズに移行できます。この練習方法は、マンドリン独奏曲ならどの曲でも効果がある練習です。まれに上の音が伴奏で、下の音がメロディという弾きにくいフレーズもありますので、メロディと伴奏のそれぞれの動きを把握する意味でも役に立つ練習です。

独立した練習以外では、確認できるゆっくりしたテンポで弾き、間違えた箇所を何度も繰り返すことも良いです。マンドリンオーケストラの個人練習ではこの練習方法です。楽譜にもよりますが、自分もこの方法で練習することが多いです。時間が限られていると、この練習方法を採用してしまいますね。

 

作曲者について

作曲者は、ジュゼッペ・ペッティーネです。楽譜では、G.Pettineと省略されて記載されています。

作曲者であり、マンドリン奏者でもありました。降誕歌以外では「悲歌」という曲が有名なようです。自分は弾いたことがありません。

アメリカに住んでいたようで、降誕歌はアメリカで作曲したようです。降誕歌は、子弟のために書いたと楽譜集に書いていますが、子弟とは誰のことなのか? そこまではわかりませんでした。 

悲歌も弾いてみたい独奏曲です。

 

最後に

降誕歌を弾き直したきっかけは、先生から以前弾いた曲を弾くと新しい発見があるから弾いてごらんと言われたことでした。

そこで、降誕歌を弾いてみました。降誕歌を選んだのは、楽譜ホルダーの最初のページに挟んであったからです。久しぶりに弾いてみて、わかったことは自分の成長でした。降誕歌に取り組んだ頃は、弾けなくて結局完成に至りませんでしたが、今はすんなりと弾けるようになりました。先生もこういうことを言いたかったのかなと思いました。

弾いてみるとメロディの美しさと伴奏がメロディを引き立てていることが良くわかります。クリスマスイベント向けの独奏曲ですが、いつ弾いても良い独奏曲だとおもいます。演奏会で弾いたら感動するお客さんもいるのかなと思います。

最後まで、読んでいただきありがとうございます。