第18回 マンドリン独奏曲 落葉の唄(中野二郎作曲) 悩んで練習した独奏曲
第18回目は、練習中のマンドリン独奏曲「落葉の唄」です。あまり知られていないマンドリン独奏曲ですが、綺麗なメロディで印象に残る曲です。
落葉の唄
練習を始めて3回録音しました。先生からの指摘事項を修正して納得できる仕上がりになったのが3回目の動画です。
「落葉の唄」を弾くために演奏方法も見直しました。今までの演奏方法だと弾けなかったためです。このあたりのことも解説したいと思います。
落葉の唄の練習
16部音符で悩む
最初に録音した動画です。まぁまぁ弾けてるなぁと個人的には思っていましたが、弾けてないことに気が付きます。
マンドリン独奏への道 「落葉の唄(中野二郎作曲)」を練習中!!
練習の前に楽曲の構成等は説明します。
2枚の楽譜でA3サイズに収まるので、楽譜めくりの必要がありません。演奏中の楽譜めくりによる中断がないため、奏者としては助かります。
演奏すると7分オーバーです。ダルセーニョで最初に戻るためA3サイズの楽譜でも7分を超えてしまいます。テンポアップすると時間短縮できますが、そう簡単に時間短縮させてくれません。
拍子は6/8です。最後まで6/8です。全体的に16部音符や32部音符が多いです。どちらもやっかいです。
イントロからの伴奏部分が16部音符です。原曲を聴いたことないのでわかりませんが、この伴奏はメロディでは? と思っています。
テンポアップしたいと思ってもこの16部音符がやっかいです。16部音符のデュオ奏法は難しいです。右手首が詰まってしまうからです。腕の動きが少なく手首だけで弾いてしまうからです。8部音符だけなら手首弾きでも対応できますが、16部音符でテンポアップすると腕も活用しないとデュオ奏法ができないです。
そんなことを考えながら2回目の録音しました。
やっぱり遅れてるなぁと思っていて、レッスンでも先生から指摘されました。
この気づきからマンドリンを弾くフォームについて見直しました。フォームは以下の記事で書きました。
ひじで弾くことに気がついたのは、落葉の唄を練習した成果でした。まだものにしていませんが、練習して精度を高めていきたいです。
コードで悩む
フォームの改善をしながら練習しますが、それぞれのフレーズで悩んでしまいました。
まずは、コードです。16部音符のフレーズが終わるとコードが出てきます。ここで悩まされます。
コードの伴奏は、「先にコードが聴こえなければならない」・・・この原則がありますが・・・先に聴こえてきたのはメロディでした。
左手のポジションがコードよりもメロディのポジションを先に押さえていたためです。右手はコードから入っていますが、メロディを先に押さえたことによりタンピングの要領でメロディが聴こえていたんですね。
左手のポジションを改善すると今度はスラーがとれなくなってメロディがぶちぎれてしまいます。左手のポジションは正しいですが・・・
スラーを守るため、右手のストロークを改善しました。弦を上から跨いでコードのベース音にピッキングしていましたので、弦を下から跨ぐような感じ(伝わりにくいですが・・・)に直しました。これが効果があり、スラーを守ることができました。
32部音符で悩む
32部音符は、滑走アルペジオです。滑走アルペジオは練習したので、それなりに弾けるかと思っていましたが、あまかったです。
滑走アルペジオのフレーズは、音の数が4つ、6つ、8つと増えていきます。音4つはまだいいですが、6つと8つは弾けなかったです。滑走アルペジオは、まぁ良かったんですが、アルペジオとアルペジオの間に落とし穴がありました。
アルペジオは均等の間隔ですのでアルペジオとアルペジオの間も均等に弾く必要があります。この間が均等ではありませんでした。左手のポジションが変わるからです。押さえ直す時間がありますので、均等にならないわけです。
改善したのは左手のポジションでした。左手の指を指盤から上げすぎるとポジションチェンジに時間がかかり均等に弾けなくなります。そこで、左手を上げすぎないようにポジションチェンジしました。効果があり、6つの音や8つの音の滑走アルペジオのポジションチェンジが楽になりました。
3回目の録音でも完成というわけではありませんが、かなり改善はできたかなと思います。これからはそれぞれのフレーズの精度を上げていきたいです。練習時間がそれほどあるわけではありませんが、効率よく練習します。
簡単そうにみえて難しい曲です。さすが、中野二郎作品です。
落葉の唄の原曲とは?水島あやめと関係があるのか?
中野二郎作品は本人自ら作曲した曲と何らかの原曲を編曲した曲があります。おそらく落葉の唄は、作曲したものと思います。独奏曲は編曲が多いようです。ただし、明確な根拠はわからず、あくまでも推測です。
落葉の唄という映画があったようです。公開されたのは、1924年11月のようです。大正13年のようです。中野二郎さんは1902年生まれですので、映画の落葉の唄を見ている可能性が高いと思います。
大正なのでサイレントじゃないかと思います。BGMはないと思いますので、映画を見た中野二郎が想像を膨らませて作曲したのではと考えます。ここらへんが作曲じゃないのかと推測した理由です。
病床の母を想う幼い少女の真心を描いた小品で、脚本を書いた水島あやめさんという方は、落葉の唄で日本初の女性脚本家となったようです。
脚本以外にも小説や雑誌での短編など執筆活動で幅広く活動したようです。
曲の背景は何かと調べてみると曲に対して、思い入れが強くなって、練習に打ち込めますね。中野二郎さんは、この作品に感動して作曲したのかなと思いますね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
練習中の曲ですが、演奏会まで仕上げていきたいと思います。