マンドリンを弾く技術士

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第24回 マンドリンレッスン デュオ奏法の種類 伴奏によって使い分けよう!!

第24回は、マンドリン独奏のデュオ奏法についてです。過去にデュオ奏法の練習方法のことは書きましたが、今回は、伴奏によって使い分けるデュオ奏法を説明します。

 

デュオ奏法は、マンドリン独奏曲を弾くのに必須の演奏技術です。

デュオ奏法ができないと多くの独奏曲を弾くことができないです。デュオ奏法は伴奏によって、弾き方も変わります。

伴奏によって、どのように弾くか説明します。

 

 

異なる伴奏によるデュオ奏法

自分が演奏した動画で説明します。録音したのは「美しき我が子や何処」と「落葉の唄」です。「美しき我が子や何処」は伴奏の音を残しながら弾くことが必要な曲です。一方、「落葉の唄」は、16部音符主体のリズムです。対照的に音を切るとまでは言い過ぎですが、スタッカート気味に弾く伴奏です。 


【マンドリンレッスン】2種類のデュオ奏法の弾き方を説明する動画

伴奏は、メロディを弾きやすいようにリズムの頭をとったりする他にも聴く方に対し、強い印象を与えます。

こういうフレーズは奏者は焦りますね。テンポが遅くても。

16部音符で細かく刻まれているリズムはテンポが遅くても早く感じますし、大きな音符を使うとゆっくりしたイメージをもちます。

 

ゆっくりした印象を与えるデュオ奏法の弾き方

写真は、動画の最初に弾いたフレーズです。Adagioというゆっくりしたテンポで、メロディが4部音符中心の美しいメロディです。

伴奏は8部音符のシングルノートです。Adagioなので、8部音符でもゆっくりした感じです。

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伴奏は、響かせるように弾きます。ポーン、ポーンと響かせることで、Adagioの雰囲気が出ます。

 Adagioじゃなくてもこういう響かせるように弾く伴奏は多いです。デュオ奏法の基本的な弾き方だと思います。

響かせるように弾く方法は、左手にあります。左手をポジションに押さえたままにします。押さえた状態なら、音が切れることなく響くからです。次の音を弾くまで、押さえた状態をキープします。

右手ですが、伴奏はダウンで弾きます。ダウンで弾くことで響きやすくなります。

具体的にどうやれば良いかを左手から説明します。

左手は、次の音符を弾くまで押さえっぱなしのため、最短距離でポジションを移動する必要があります。最短距離で次の音符に移動するのは、左手の指を上げすぎるとポジションから距離が空くため、時間がかかるためです。このため、左手の指を上げすぎないようにします。

テンポを無視して目視で左手の動きを確認して弾くと効果があります。左手の動きを確認してゆっくり弾く練習を繰り返すとフォームが固まり、最短距離で移動することができます。

 

特殊な弾き方

写真は、16部音符の伴奏が下降していくフレーズです。メロディは付点4分音符です。伴奏というかメロディに近い役割です。ゆっくりしたテンポですが、16部音符で下降していきますので、速く感じます。

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このフレーズはやっかいです。同じテンポで下降していき、流れるように聴こえますが、付点4部音符のシの音が伸びてしまい流れるように聴こえないからです。

シの音でリズムが乱れ、16部音符の伴奏が遅れてしまいます。自分もそうでした。独奏なので、そういう弾き方もありですが、正確にリズムを保とうとしたらアウトになるフレーズです。

シを境目に左は16部音符のシングルノートのメロディ、右側が16部音符のシングルノートの伴奏です。テンポが同じですが、デュオ奏法で弾くため、伴奏フレーズが遅れてしまいます。

この対策として、ダウンピッキングを振り下ろすように弾きます。このフレーズは全てダウンピッキングです。上のフレーズなら、ポーンと響かせるため、やや膨らませるような感じでダウンピッキングしますが、このフレーズはダウンピッキングの時間短縮のため、振り下ろします。

こういう弾き方をするフレーズはあまりないのではと思います。落葉の唄は、このような弾き方をしないと時間がかかってしまう独奏曲です。聞いてみるととても良い独奏曲だとわかりますが・・・

練習は、一度頭のなかをリセットします。デュオ奏法のなかでもあまり馴染まないフレーズのため、考えを直す必要があります。

ゆっくりしたテンポから、振り下ろすような感覚で練習します。左側の16武音符のメロディを意識的に遅く弾きます。遅いかなと思うくらいが、ちょうど左右のバランスがとれて流れるように弾けます。

左側のフレーズは8部音符の感覚で弾くと遅くなります。右側を弾く時は、16部音符を弾く感覚だと早くなります。ちょっと意識を改善するだけでもフレーズが弾けるようになります。

もう一つのポイントは、中間のシの付点4分音符の攻略にあります。

付点4分音符を弾いたらすぐに16部音符を弾くとリズムが正確になり、テンポが遅れることがありません。

すぐに弾くには、左手の余っている指にあります。16部音符のソの音は、4の指(小指)でポジションをとりますので、小指をすぐに押さえるようにするとかなり改善されます。余っている小指を3弦のソの音近くに配置しておくとすぐに押さえれるようになります。

デュオ奏法は右手首も左手首も重要かなよ思わせるフレーズだと思いました。

滅多にこういうフレーズは出会えませんが、練習しておくと演奏の幅を広げることができるかと思います。

他にもコードの伴奏フレーズのデュオ奏法の弾き方もありますが、長くなるのでこのあたりで終わらせたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。