第10回 マンドリンレッスン マンドリンを弾くための様々なフォーム
今日のテーマはマンドリンを弾くときのフォーム、弾き方です。
独奏でもマンドリンオーケストラでもフォーム(以下「弾き方」で統一します)は同じです。ですが、マンドリンはいくつかの弾き方があります。マンドリンはメソッドが明確ではないためのようです。右手の話ですが、いくつかの弾き方を説明します。
なお、今の弾き方で満足していれば、参考程度で読んでいただければと思います。
どんな弾き方があるのか?
弾き方は4種類あります。動画で確認してみましょう。
【マンドリンレッスン】マンドリンを弾くいくつかのフォーム・・・どれも一長一短があります。
弾き方は以下のとおりです。それぞれ正式な名称があるはずですが、自分はわかりません(聞いたことありましたが、忘れました)。
- 手首弾き
- 腕弾き
- 肘を曲げて弾く
- 手首+腕弾き
動画で書きましたが、どの弾き方も一長一短あります。一長一短を動画よりも詳しく、弾き方を改善するにはどうするか、このあたりを以下で説明します。
手首弾きについて
手首をスナップのように振り回してダウンアップする弾き方です。
スナップが効くため、綺麗な音になることがメリットです。手首が柔らかいと、ピックが弦に当たり負けします。当たり負けすると弦の振動が弱くなるので、ノイズが少なくなります。このことが綺麗な音になる理由です。
デメリットは、独奏では必須であるコードやダブルノートが弾きにくいことです。手首を曲げても1弦や4弦に当たらないためです。このため、腕を上下にコントロールしないと弾けません。いちいち腕を上下にコントロールすると反応が遅れ、速いテンポは弾けなくなります。
マンドリンオーケストラの1stなど4弦を中心に使うパートなど限定された使い方になります。
腕弾きについて
手首は固定したまま肘を支点に腕を上下にストロークする弾き方です。
肘を支点に腕を上下に大きく振ることができますので、シングルノートからコードまで幅広く使えることがメリットです。
速く弾くことは困難なこと、音が硬くなる(綺麗な音色ではない)ことがデメリットです。手首のスナップを使わないため、弦とピックの間に距離ができることと弦にピックが強くあたるためです。また、ピックが弦に対し深い(ピックと弦の接触面積が大きくなること)とピックが弦に絡まるような感触になります。2弦や3弦の場合、トレモロを弾くときは上下の弦にピックを当てて反発力を利用することもあります。1弦、4弦の場合、どうしているのかはわかりませんでした。
地元の広島の奏者は、この奏法を使う奏者が多いように感じます。おそらくシングルノートからコードまで幅広く使えることが理由だと思います。
腕に力が入りすぎて、腕を痛めた奏者もいます。力加減には気をつけないといけない奏法です。
肘を曲げて弾くについて
肘を曲げてダウンアップする弾き方です。
やりにくそうに見えますが、習得しやすい方法でもあります。このことがメリットです。自分は最初にこの弾き方でした。
ダウンアップが弧を描くようになるため、主弦と副弦に均等に当たらず不均一な音色になることがデメリットです。
肘に力が入るためか、手首はスナップになりやすく、手首弾きほどではないですが、柔らかい音色を出すこともできます。ただし、ピックが弦に対しある程度深くないと効果がないように思います。
広島だけかもしれませんが大学や高校では、腕弾きが多く、社会人からマンドリンを始めると、この奏法をする奏者が多いように思います。ここらへんもマンドリンが明確なメソッドがないことに起因するようです。
手首+腕弾きについて
名前のとおりの弾き方です。
手首弾きのデメリットを腕弾きでカバーしています。シングルノートからコードまで幅広くカバーできること、手首弾きと同じく手首のスナップを利用するため、綺麗な音色になることがメリットです。
デメリットは習得の難しさです。自分自身が体験しました。最初は肘を曲げて弾く方法でしたが、先生からこの弾き方に治した方が良いと言われ、レッスンを通じてこの弾き方に修正しました。トレモロの習得と合わせて2年近くかかったと思います。プロの先生でレッスンを受けると、小指の使い方など細かい違いはありますが、この弾き方を教わります。万能な弾き方だと言えます。
弾き方の習得方法
一通り、弾き方を説明しましたので、どうやって弾き方を習得するか、または弾き方を修正するかについて説明します。
ある程度、マンドリンを弾ける奏者が弾き方を修正するケースを前提にします。初心者の方でも共通です。
- 目的とする弾き方をピックを持って空振りしてイメージを掴む。数回程度でも良いです。
- ゆっくりと弾き方でどれかの弦をダウンアップする。決して早めない。
- ダウンアップをひたすら繰り返す。身についたと思ったらダウンアップを速くしてみる。
- 失敗したら、ゆっくりとダウンアップして弾き方を確認する。
これだけです。この練習を1日に1時間程度します。忍耐力が必要ですが、時間をかけて習得します。身体に馴染まないからです。
既に独奏をしたり、マンドリンオーケストラに入団していると現状の弾き方を併用せざるをえませんので、苦しい時間が続きます。自分もそうでした。
自分は申し訳なかったですが、マンドリンオーケストラを欠席して、弾き方の練習に集中したこともありました。大きな演奏もなかったから、弾き方の修正に集中できると考えたわけです。休めない奏者もいるかと思いますので、併用期間をながくなることを覚悟で取り組んだ方が良いです。
時間をかければ身体が馴染み修正は必ずできます。そうは言っても練習がつらく感じる時もあることは確かです。
最後に
弾き方の習得(修正)は、ある程度、弾ける奏者の方が難しいと思います。弾き方が変われば周囲がわかるほど音質も変わりますので、マイペースで修正していくのが良いかと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。今後もhiromandolinをよろしくお願いします。