マンドリンを弾く技術士

マンドリン独奏曲やマンドリンの弾き方、技術士、本などのブログです。

第17回 マンドリン独奏の練習 意外と難しいアルペジオ

第17回は、マンドリン独奏曲では、頻度の高いアルペジオの練習です。簡単そうに見えますが、けっこう難しいです。

 

 

動画で確認するアルペジオ

マンドリン独奏曲「美しき我が子や何処」のアルペジオフレーズを弾いてみました。みためは、4弦から1弦を順番に弾いているように見えます。


【マンドリンレッスン】アルペジオの練習 意外と難しいアルペジオ

アルペジオは、ただ弦を順番に弾くだけと思っていました。

これが大きな間違いでした。アルペジオはリズムなんですね。アルペジオのフレーズを均等に弾く必要があります。

均等じゃないと、単なるコード弾きです。アルペジオを弾いているつもりでしたが、単なるコード弾きになっていました。先生から指摘されるまで、全く気がつきませんでした。

 

アルペジオとは?

アルペッジョとも言われますが、和音の構成音を低い音から順番に弾く奏法です。マンドリンよりもギターで使われています。

分散和音という奏者もいます。自分はアルペジオという方が馴染みがあります。 コードを押さえて、そのまま順番に弾くから分散和音と言われているようです。

似て異なるのが、ストローク奏法です。コードを押さえるまでは同じですが、ストローク奏法は、ジャラーンと複数の音をほぼ同時に鳴らします。アルペジオは、一音ずつ鳴らします。

 

滑走アルペジオ

アルペジオの発展型とも言うべき奏法に滑走アルペジオがあります。

弦の上でピックを滑走させるように弾く奏法です。ストローク奏法と似た感じになりますが、一音ずつ均等に弾くことが違います。あくまでもアルペジオなんです。

滑走アルペジオはこんな感じです。自分が弾きましたが、完璧じゃないので、イメージを持っていただければと思います。難しいです滑走アルペジオは。

マンドリンオーケストラでは奏者同士を合わせることはできないですね。独奏曲ならではの演奏方法だと思います。

カラーチェ 作品や中野二郎作品に滑走アルペジオがでてきます。「幻想曲 桜」が滑走アルペジオで有名です。レッスンで何度か弾きましたが極めることはできませんでした。もう少し練習していれば滑走アルペジオに悩まされることはなかったかもしれませんが・・・


【マンドリン独奏への道】滑走アルペジオの練習

 

アルペジオの練習方法

メトロノームを使った練習が有効です。

アルペジオの頭をメトロノームで合わせます。頭はベース音なのでポジションが変わらなければベース音を残すようにして弾きます。

ここまでは問題なくできると思います。やっかいなのは、分散音の方です。ベース音がリズムどおりに弾けているのでアルペジオが出来ていると考えると分散音が均等になっていないということがよくあります。

よくあるのが、分散音の間隔が詰まってしまい、均等に弾けていないことです。弾いている奏者は、均等に弾けていると思っていますが。

自分の音を聞いて良いか悪いか判断出来る耳をもてればいいですが、多くの奏者はそんな耳はないと思います。自分もそうです。

どうやって練習するかというと、分散和音を一音ずつメトロノームに合わせていくと確実に均等かどうかわかります。ただし、テンポが速くなるとわからなくなってきます。

一音ずつが無理ならアルペジオを半分にしてメトロノームで合わすのがテンポアップができて、なおかつ均等に弾けているかわかる練習方法です。

アルペジオは6連や8連符といった偶数なことが多いです。このため、6連なら3音ずつで合わすと効果があります。たまにある5連符などの奇数はどうするのか?という課題はありますが。奇数は頭だけを合わして、その前後を偶数で分割で弾くことで間隔をつかむことが有効です。

 

アルペジオのコツ

均等に弾かなければいけないアルペジオ・・・均等にするには最初と2番目の音が重要です。特に2番目ですね。

テンポが速くてもゆっくり弾くことが均等に弾くコツです。矛盾していることを書いていますが、テンポが速くなると音と音との間隔が詰まり拍の最後の音と次の拍の最初の音の間隔が広がることが多いです。均等に弾けていない状況です。2番目の音を間隔を開ければ均等になります。意識してゆっくり弾く間隔でピッキングするくらいがちょうどよく均等に弾けるようになります。

遅れてもかまわなので、最初は速いテンポでもゆっくり弾くコツを掴めれば均等に弾くことが出来ます。

このコツを掴むのは簡単じゃないですが、繰り返して練習すると間隔が掴めてきますので、メトロノームで繰り返し練習しましょう。

 

アルペジオが使われる独奏曲

「幻想曲 桜」は滑走アルペジオが頻繁に出てきます。日本古謡の曲を縄田政治さんが編曲した曲です。誰もが弾けるようにとの意図で編曲されちょうです。そのため、難易度が低いと言われますが、自分は難しかった印象があります。何度か弾きましたが、モノには出来なかったです。

中野二郎作品はアルペジオがよく出てきます。アルペジオのトップの音がメロディになっていて、速く弾くとトップの音色がメロディに聴こえます。 

hiromandolin.hatenablog.com

 過去記事からです。「祈り」がそういう曲です。最後にアルペジオフレーズが続き、トップの音がメロディです。アルペジオが早いとお客さんのウケがいいので、演奏後に大きな拍手がわきます。自分はそこまで大きな拍手はなかったですが、演奏後の満足感はどの曲を演奏したときよりも大きかったです。

最初にテーマを示し、テーマを様々にアレンジして最後にアルペジオフレーズで終わるのが中野作品の形の一つのようです。

カラーチェの前奏曲作品にもアルペジオが出てきます。自分はまだ前奏曲を弾いたことないので、弾いてみたいですね。

 

独奏曲の中では頻度の高いテクニックですので、確実にできるようにしたいです。練習中の独奏曲もアルペジオも滑走アルペジオがあります。完成度を高めるように練習をします。

最後まで読んでいただきありがとうございます。