マンドリンを弾く技術士

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第3回 技術士二次試験の口頭試験と勉強方法について

第3回は口頭試験です。面接試験のことです。筆記試験に合格すると面接に進みます。口頭試験に合格すると手続きをして、正式に技術士を名乗れます。

筆記試験に合格しても口頭試験に落ちると筆記試験からやり直しです。部門によるかもしれませんが、口頭試験でけっこう落ちてしまう受験者がいます。

この記事で口頭試験に役立ててもらえれば幸いです。

 

 

口頭試験について

受験内容

筆記試験の合格者のみに行われます。日本技術士会によると技術士としての適格性に主眼をおくとあります。適格性とは、以下のとおりです。

  • 問題解決能力
  • 課題解決能力

適格性が備わっているか確認するのは以下のとおりです。

  • 筆記試験の答案(選択科目)
  • 業務経歴票

技術部門の問われる内容は以下のとおりです。試験時間は20分です。

詳細は、日本技術士会のホームページにあります。2020年の二次試験の実施大綱が公開されていますので、そちらを確認いただければと思います。

www.engineer.or.jp

 

試験内容

筆記試験の答案と業務経歴票が口頭試験に使われることから、業務経歴票を書く段階から口頭試験が始まっていると意識する必要があります。

口頭試験の内容の配分は以下のとおりです。配分はあまり気にする必要はないと思います。一つでも落とすと口頭試験が不合格になるためです。結果的にどの科目も勉強することになります。

  • 経歴および応用能力  :60点
  • 技術者倫理      :20点
  • 技術士制度の認識その他:20点

 

口頭試験の勉強方法

本題である口頭試験の勉強方法を説明します。口頭試験の勉強方法は、受験者個人によって、異なりますので、あくまでも参考程度で考えてください。口頭試験を専門とするサイトもありますので、情報収集し受験者に合った方法を筆記試験後に探せば良いと思います。

 

経歴および応用能力

業務経歴票

受験者の経験に沿って書くことになりますが、問われるのは受験の申し込みで書く以下の項目です。

  • 業務経歴票(証明書)
  • 業務内容の詳細

2つの項目の全般的に聞かれますが、特に業務内容の詳細を聞かれます。試験官は、受験する部門の技術士であることが多いですが、必ずしも受験者の業務内容を理解いているわけではないので、基本的な質問(これはなにか?といった初歩的な質問)から応用の質問まで様々なことを質問します。

受験勉強は、QAを作ることが良いです。QAは、ノートなどの紙に書くか、PCやiPadなどのタブレットやスマフォに記載して覚えることがいいです。自分はノートにQAを書きました。いつでも覚えられるし、持ち運びが可能なためです。

業務経歴票も質問してきますが、本題とは関係ないことも問われることもあります。あなたの職務上の役職はなにか? 職場の構成はどうなっているのか?などを受験時に聞かれました。答えられないようなことを聞かれることはないと思いますが、掘り下げてQAを作成した方が良いです。

筆記試験の答案

 筆記試験後に最初に行うことが、筆記試験の回答の復元です。筆記試験の合格に自信がなくても復元原稿を作成した方が良いです。落ちていても次回受験時の対策に役立ちますので。

筆記試験の回答から応用能力を判断します。筆記試験に合格している以上は、論理的に書かれています。試験官は、筆記試験の回答から考え方を質問してきます。なぜ、こういう結論に至ったのかということを述べられるようにする必要があります。結論に至ったプロセスを整理したうえでQAを作成します。

もし、答案に間違えがあった場合は、素直に説明すれば良いと思います。自分もそうしましたので。

筆記試験の回答は、様々な回答が考えられ、技術士個人によって回答も異なってきます。試験官は、この問題はこうあるべきではないのか?と受験者を挑発するようなことを聞くこともあります。この場合、「勉強になります」と答え、次の質問を引き出した方が無難です。自分もそうしました。

質問は、選択科目から聞かれますが、念のため必須科目も原稿を復元しておいて一通り何を書いたかインプットした方が良いです。念のためです。

勉強方法は、業務経歴票と同じくQAを作成しインプットします。QAができたら面接をイメージしてアウトプットを繰り返しましょう。受験までに何度も繰り返せば、論理的に答えられるようになります。

技術者倫理、制度等

技術者倫理や技術士の制度は、配点が少ないですが、確実に聞かれますので、落とさないように気をつけましょう。けっこう、倫理や制度で答えられない受験者がいます。配点こそ少ないですが、質問事項が1、2問ですので、答えられなかったら確実に不合格になるのが、怖いところです。

倫理要項(公衆の利益の優先、持続可能性の確保等)や技術士法を日本技術士会のホームページで確認しQAを作ることになります。注意しなければいけないのは、そのまま倫理要項に書いてあるまま聞かれることはほとんどないことです。受験者の所属先の業務内容や会社の制度と絡めて質問することが多いのがやっかいです。自分も一番やっかいなのが倫理や制度だろうと考えていました。

その他に質問されるのが受験の動機や技術士受験を促す仕組みの有無などです。短期間で幅広く勉強する必要があるのが受験の特徴です。

 

口頭試験を経験して 

口頭試験は渋谷のフォーラム8で行われました。渋谷の109の近くにあります。

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受験した原子力放射線部門は11月下旬に行われていましたので、今回も同じだろうと思ったら12月17日(月)16時からでした。

勉強期間があると思う反面、雪が降り出す頃なので交通のことが心配でした。当日の第一便で東京に移動しましたが、羽田に到着するまで無事に着いてくれと願っていたことを覚えています。前日に飛行機が欠航になってしまったときは焦りました。

15時頃にフォーラム8に入り、控室で想定QAを熟読していました。控室には10人前後の受験者がいました。

控室の隣に面接会場があり、入り口に椅子があり、椅子に座り待機します。室内の声がわずかに聞こえてきます。前の受験者が終わり、自分が呼ばれて礼をし名前を名乗り、面接に望みます。面接官は2名でいずれもベテランの技術士のようでした。狭い業界のため、どこかで会っていれば覚えていますが、ご存知のない方でした。

面接時間20分に対し、18分程度で終わりました。同時刻で別の会場に入室した受験者はまだ面接中でしたので、早く終わったことがわかりました。

おそらくキラーQがあり、それに答えると面接官が笑顔になりました。これで合格だなと確信しました。このキラーQは、倫理や制度に関する質問でした。

終わった後、羽田に移動しコーヒーを飲んで、思考ができなくなていることは覚えています。最終便で帰って、翌日は仕事に行きました。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

記憶が曖昧なところもありますので、アップデートしたいと思います。