第33回 マンドリン独奏 日頃の練習方法
第33回は、マンドリン独奏曲について、日頃の練習方法をどのようにするかがテーマです。練習方法は、奏者そえぞれ異なります。様々な練習方法が考えられますが、独奏を目指す奏者の参考になれば幸いです。
1.練習の構成
マンドリン独奏曲をセクション毎に練習します。セクションが一つの塊なため、練習しやすいからです。
弾き始めは、セクションを細かくしてフレーズ毎に練習します。ポジションが取れるようになるとセクションで練習します。フレーズはスラーがかかる単位のことで、セクションはIntroとかCodaとか楽譜の横に書いてある単位のことです。
曲は、基本的にセクションで完結するように書かれています。このため、表現をつけやすく練習しやすいです。
短い曲は、セクションが不明確なことが多いです。そうい場合は、適当にセクションをわければ良いです。写真の楽譜は手書きなためか、セクションが明確ではありません。弾いてみて、「この休符で終わりしよう」の感覚で良いです。
2.具体的な練習方法
(1)1回目の練習
セクションを3回弾きます。1回目は、ピッキングだけで、音を取る感覚で弾きます。2回目は、メトロノームで弾きます。3回目は、メトロノームなしで弾きます。
1回目の練習は、正しいポジションを取っていることを確認します。さらに、演奏をイメージします。演奏をイメージすることで目標とする演奏を頭脳にインプットします。ピッキングだけで弾くことで、鳴っていない音がないこと、間違ったポジションを取っていないことを確認します。
(2)2回目の練習
2回目は、メトロノームで正しいリズムで弾きます。
独奏曲は、テンポが揺れることが当たり前ですが、楽譜の指定のとおりのテンポで弾きます。楽譜の指定のテンポがとれないときは下げても良いです。
表現は、あまり考えずに、正しいテンポをとることを最優先します。遅れているフレーズがあればそのフレーズを集中練習します。
メトロノームで弾くことで正しいリズムを習得することが主要な目的になります。
(3)3回目の練習
3回目は、メトロノームなしで表現力をつけて練習します。
1回目でイメージをもって正しいポジションをとる。2回目で正しいリズムをとる。3回目で表現力を加えれればセクションが完成します。
3回目は、1回目と2回目を踏まえていることと完成形になります。表現力がつきますので、リズムとテンポが揺れますが、正しいリズム、テンポを踏まえているので、楽譜をコントロールできていることになります。楽譜をコントロールできる力があればどんな曲でも弾けるようになります。
具体的には、以下の動画のように練習しています。
(4)課題の練習
3回弾いただけでは、弾けないフレーズがでてきます。
こういうフレーズは繰り返し練習して、集中的に習得します。3回弾けば弾けないところもわかりますので、課題が明確になります。課題を明確にして練習できますので、3回弾くのは効率的です。