第23回 マンドリンを弾く時の3種類のピッキングの方法
シンプルなテーマですが、マンドリンを手にすると最初に学ぶことになります。フォームとも関係しますが、一度身に付けると修正が難しいので、よく知っておく必要があります。
マンドリンは決まった教則がないので、フォームやピッキングについて、様々な方法があります。決まったことがないのがマンドリンの魅力ですが、ギターやピアノなど他の楽器を経験してからマンドリンを始めると戸惑うことが多いようです。
では、以下に3種類のピッキングの方法を説明します。
3種類のピッキング
何気なくピッキングしていましたが、3種類もあるとは驚きました。他にもあるかもしれませんが、自分がレッスンで教わったのは動画の3種類です。
普通にというか、弦をダウンピッキングしたらすぐにアップピッキングする方法、ダウンまたはアップでピッキングしたら上下の弦にピックを当て、その反動でピッキングする方法、小指をマンドリンの胴に載せてピッキングする方法です。
何気なくピッキングすることが当たり前だと思いますが、ピッキングの方法を知っておくと、奏者がやりやすいピッキングがみつかるかもしれません。
普通のピッキング・・・ダウンアップが早い方法
概要
適当な言葉が思い浮かびませんでしたので、普通のピッキングと書きました。
多くの奏者がこの方法でピッキングすると思います。
ダウンピッキングしたら、すぐにアップピッキングします。すぐにとは、ダウンアップのストロークの幅が狭いことです。
ダウンだと主弦をピッキングしたら、すぐにターンしてアップピッキングします。マンドリンを習うと、多くの奏者はこのピッキング方法から入ります。
メリット
メリットは、早く弾けることです。ダウンアップの幅が狭いためです。
デメリット
デメリットは、主弦または副弦のどちらかがピッキングしていなかったり、ダウンアップの幅が不均一になり、トレモロやピッキングの音色が不安定になることです。
テンポアップすると焦ってしまい不均一になることが多いと思います。
対策
テンポアップしてもトレモロの回転数を一定にすることを意識すると安定します。ピッキングから徐々に回転数を上げてトレモロにもっていく練習をすると効果があります。過去に記事にしましたので、参考までに見ていただければ幸いです。
上下の反動を利用しピッキングする方法
概要
ダウンまたはアップでピッキングした際に、上下の弦にピックを当てて、その反動を利用してピッキングする方法です。
知らず知らずこういうピッキングをしたことがありました。ちょっとムキになって演奏するとこのピッキングになりやすいです。自分の経験上ですが・・・
腕弾きの奏者はこのピッキングで演奏することが多いかと思います。ただし、奏者本人が意識してピッキングしているわけではないケースが多いようです。
腕の振りが大きいため、自然にピックが上下の弦にあたるようです。
メリット
普通のピッキング方法のデメリットを補うことになります。
安定したピッキングをすることができます。上下の弦にあたるため、主弦または副弦のどちらかが当たらないことはないです。
デメリット
上下の弦にピックがあたる・・・ということですので、余計な音が出ることがデメリットです。
綺麗な音を弾きたいと考えると、このピッキング方法はそぐわないと思います。上下の弦にピックがあたる音はノイズになりますので、綺麗な音色にはなりませんね。
安定して弾ける反面、デメリットが大きい印象があります。
対策
根本的な対策はないですが、ノイズを小さくすることはできます。
ピックの弦に対する深さを浅目にすることです。ピックの弦に対する接触面積が小さくなる分、ノイズが減少します。
ただし、肝心のピッキング音が小さくなるため、ピックは強めにもつことになります。ピックの弦に対するアタックを強くすることで補うわけです。
アタックを強くするため、最初の音を弾く時だけ静かにピッキングし、スムーズにピッキングするなど、別の対策も必要になります。
どこかで妥協が必要ですが、根本的なノイズ対策は難しいと思います。
小指を使ったピッキング
概要
こういうピッキングがあるとは知りませんでしたが、小指をマンドリンの胴に載せると安定します。自分はできませんでしたが、この方法でピッキングする奏者によるとアンテしてピッキングできることが魅力的なようです。
実際に採用しているプロの奏者もいます。その方の門下生も全てこの方法でピッキングしています。
自分も挑戦したことがありましたが、うまくできませんでした。小指を固定させているわけではないようです。トレモロやコードのストロークで柔軟に小指を動かしているのではと推測します。
写真のマンドリンですと胴の位置・・・黒い模様のところで1弦に近い位置に小指をそっと載せます。ちなみに自分のマンドリン です。
メリット
概要で書きましたが、安定してできることがメリットです。
ただし、相当な練習が必要です。マスターすれば安定した奏法になると思います。そこまでの練習が大変ではないかと思います。
自分は今更無理ですね。
デメリット
ストロークがコンパクトになりすぎることです。
小指を固定または若干動かすことになりますので、コードのストロークのように大振りのときは難しいです。
安定するということは、動きが小さくなるので、1〜4弦まで動き回る楽譜のときは難しいのかなと思います。
対策
実践している奏者に聴いてみる必要がありますが、自分ならフォームを維持したうえで、ゆっくりから練習して小指を胴に載せたまま対応できる奏法を探ります。そのうえでインテンポにしてフレーズを習得します。
時間がかかるのかもしれません。
広島では、この奏法の奏者は見ないですね。自分が知らないだけで、実践している奏者がいるのかも知れませんが・・・
最後まで読んでいただきありがとうございます。