マンドリンを弾く技術士

マンドリン独奏曲やマンドリンの弾き方、技術士、本などのブログです。

第4回 マンドリンソロに必要なデュオ奏法

マンドリンソロの演奏技術であるデュオ奏法を紹介します。マニアックなネタで申し訳ありません。マンドリンソロでは避けて通れない演奏技術です。マンドリンソロをしたい奏者の方は是非読んでください。

 

 

デュオ奏法とは?

説明するよりも動画を見た方が分かると思います。

 


【マンドリン独奏への道】デュオ奏法〜トレモロ編

メロディを弾きながら伴奏を弾く演奏技術です。

一人二役メロディと伴奏の両方を担当する演奏技術です。マンドリンソロの楽譜には必ずと言っていいほど、この奏法で弾く小節があります。マンドリンソロをするには避けられない演奏技術です。

自分も好きな技術ですし、決まればカッコいいですね。

 

どうやってデュオ奏法するの?

マンドリンはピックで弾きますので、メロディ、伴奏ともピックでします。

ギターなら指で弾きますね。大抵、人差し指から小指を使うので、デュオ奏法がやりやすいかもしれません。マンドリン はピックだけでメロディと伴奏を弾きます。オーケストラの奏者からは、どうやって弾いているの? と聞かれることがよくあります。

デュオ奏法をマスターするには専門の練習が必要です。

 

デュオ奏法の練習

デュオ奏法の練習は右手だけでできます。

動画を見てみましょう。


【マンドリンの弾き方】デュオ奏法の練習

 

複数の弦を組み合わせて練習します。1弦と2弦、2弦と3弦などどの組み合わせでもいいですが、2弦と3弦の組み合わせをお薦めします。2弦と3弦で弾くと1弦と4弦に当たることがあります。上達するには、1弦と4弦に当たらないようにストロークがコンパクトになるからです。

ポイントはダウンを速くすることです。ピッキングでメロディと伴奏を弾くので、メロディが切れていますが、ダウンが速いと切れているのがわかりません。切れていないと、いかにもメロディと伴奏を別々に弾いているように聴こえます。

ダウンを速くすると下の弦に当たりやすくなりますのでストローク時に脱力を意識しましょう。脱力できると自然に他の弦に当たらなくなるし、ストロークも速くなります。

 

自分の経験

デュオ奏法ができなかったために演奏会へ出るのをあきらめたことがありました。

ソリストならデュオ奏法が弾けないとほとんどの曲が弾けないためです。今でもデュオ奏法ができていないと思うことがよくあります。脱力がイマイチなときはデュオ奏法ができていないです。

脱力が出来ていないとピックが弦に引っ掛かるように感じますので、すぐにわかります。脱力のことは自分の課題でもありますので、別に書きたいと思います。

 

独奏曲演奏時の意識

マンドリンソロをする上でどの曲を選ぶか楽しみでもあり悩みますけど、上記で書きましたが、ほとんどの曲にメロディと伴奏パートがあります。デュオ奏法が避けられないです。

伴奏パートには、シンプルにベース進行のみ、コード進行、ベースとコード進行が混在している曲があります。初めて弾くときは伴奏がベースのみの曲が良いと思います。左手のポジションが少なくなり、習得しやすいためです。自分も最初は、「夜の鐘」を選択しました。夜の鐘は第2回で書きましたが、伴奏パートがシンプルなので練習しやすく習得しやすい曲です。

いきなり、カラーチェ の前奏曲とか選択しても習得できるものではないですね。最初は簡単な曲から選択しましょう。

 

デュオ奏法のお勧めの曲

おすすめは以下の曲です。

・夜の鐘

トロイメライ

・降誕歌(クリスマスソング)

・星空

 

夜の鐘は第2回で書きました。伴奏パートがシンプルですね。一部重音がありますので、難しく感じるところもありますが、それほど負担でもないです。弾けなくても聴いている方はわからないだろうなぁ・・・と思います。

トロイメライは簡単な楽譜と難しく編曲してある楽譜が出回っていますので、注意が必要ですが、簡単な楽譜なら夜の鐘よりも弾きやすいのでお勧めです。

降誕歌はクリスマスソングと言ったほうがわかる奏者が多い曲です。トロイメライのように美しいメロディですので、練習しがいのある曲です。楽譜がA4で1枚なのでページめくりもなく4分程度で終わります。トロイメライよりも難しく感じますが、初めて弾くにも良いです。トロイメライの次に弾くのも良いです。聴いてみて好きな曲を選んだほうがいいですね。

星空は第1回で書きました。カラーチェ 作品です。上の3曲と比べると難易度が高いですが、伴奏よりもアルペジオが難しい曲です。アルペジオに自信がある奏者なら、ぜひ弾いて欲しい曲です。カラーチェ の作品の中では簡単なほうですので、演奏できると思います。

自分は、夜の鐘、トロイメライ、降誕歌、星空の順番で練習しました。どの曲もデュオ奏法の向上につながった作品でした。今でも弾くことがあります。自分のレパートリーを広げることになります。

選んだ曲は、自分が納得するまで弾き込めばデュオ奏法が習得でき、曲も完成していることになります。

 

練習する上で注意すること

デュオ奏法は、メロディと伴奏が分離されているか聴いてもなかなか判断できません。自分はできたつもりで先生に披露するとダメ出しされたことが何度もありました。

誰かに聴いてもらって判断してもらうのがいいですが、個人練習に付き合ってくれる人はなかなかいないのではないかと思います。

一番いいのは録音して聴いてみることですね。iPhoneのボイスメモでも十分に聴けますので、練習して録音してみるのが良いと思います。

自分はタスカムのPCMレコーダーを使っていました。8000円くらいのレコーダーで、録音のクオリティも高くデュオ奏法の確認には十分でした。録音して確認して、最終的には先生に判断してもらったわけです。

これがデュオ奏法だなとわかると演奏中にできていないこともわかります。できていないと反省して練習しなおしすることになりますが・・・

 

習得に時間がかかりますが、できてしまうと殆どの独奏曲が弾けるように(練習は必要ですが・・・)なりますのでやりがいのある演奏技術です。マンドリンソロを目指す奏者は頑張って練習しましょう。 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。