マンドリンを弾く技術士

マンドリン独奏曲やマンドリンの弾き方、技術士、本などのブログです。

第8回 マンドリン独奏への道 練習始めに5分も行えば効果がでる練習

第8回目は、練習の始めにするウォーミングアップで行う練習について紹介します。限られた練習時間の中で、上達するウォーミングアップです。聴きとる能力の向上や左手の押さえ方の向上が練習始めの5分間程度でできます。

 

練習方法を動画で確認

自分が弾いた動画です。まずは、ウォーミングアップの練習を確認しましょう。


マンドリンの基礎練習 練習始めに5分も行えば効果が出てきます。

 

見てのとおりですが、なんてことのないウォーミングアップです。1から4弦をストロークで弾くことと、3rdポジションでスケールを弾くだけの練習です。このウォーミングアップを最初に5分程度行います。 

この練習で、どんな効果があるのか説明します。

 

練習による効果

この基礎練習は、2つあります。

  1. 1〜4弦をダウンアップでストローク
  2. 3rdポジションでのスケール練習

1.の効果は、音を聴き分ける能力が向上します。2.は、左手の握力が向上し音がクリアになります。

音を聴き分ける能力の向上

マンドリンオーケストラの方が聴き分ける能力が必要です。音が聴き分けられると、それぞれのパートから音が鳴っているなかで、ギターなど特定のパートの音を聴き取ることができます。ギターやベースなどのリズムパートと合わせることができるので、演奏中に迷子になったり、自分だけ他のパートとずれたりすることがなくなります。

独奏者なら、自分が弾く伴奏の特定の音を聴きとることができ、楽譜の要求どおりに弾けているか自分でチェックができます。

音を聴き分ければ、オーケストラでも独奏でも自分の立ち位置を明確にすることができ落ち着いて演奏ができます。

 

左手の握力の向上

左手の握力が向上すると抑えにくいハイポジションや小指を使うポジションで明確に音を鳴らすことができます。

独奏曲にはよくありますが、ハイポジションの音符が高い頻度ででてきます。マンドリンはブリッジ側に近いハイポジションほど押さえにくい、テンションが高くなります。

 テンションが高いと押さえにくくなるため、トレモロにノイズが入ったりします。対策は、左手でマンドリンのネック、指盤をしっかりとホールドすることです。動かないようにすることですね。動かさないようにするには握力が必要になります。

握力強化に筋トレまでは必要ありません。押さえ方のコツを掴めば良いので、スケール練習で十分です。

3rdポジションならテンションが高いため、毎日スケール練習すれば押さえ方が改善されます。いきなり効果がでることはありませんが、曲を弾く前の練習始めに行えば効果が出てきます。

 

 練習方法の思いつき

この練習方法は、特に師事する先生や他の奏者から教わったのではなく、自分の思いつきです。

練習始めにスケール練習は誰でもしますが、目的は左右の手を慣らすことが目的の奏者が多いと思います。自分もそうでした。

練習時間も限られているため、単純なスケール練習などで複数の効果が得られるような練習があれば良いなぁ と考えていました。独奏だと自分自身の音がダイレクトでお客さんに伝わるので、良い音を伝えるには、ノイズ音がでるような音は改善しなければいけないこと、どうしてもメロディに意識がいきすぎて伴奏を聴いていないことから効果的な練習方法を探っていました。

考えたのは、右手の練習で聴きとるトレーニングができる方法でした。左手の練習がないため、聴きとる練習に集中できるためです。右手首を柔らかくすることを目的にコードストロークの練習をしていましたので、1〜4弦を聴き取れるか試していました。1と4弦は聴きとれますが、2と3弦は聴きとりにくいことに気がつき、これを1〜4弦に順番に聴きとるようにすると右手の練習と目的の音を聴きとる練習になることに気がつきました。このため、練習始めに取り入れました。

独奏を始めて、独奏曲を物色していた頃に、独奏曲はハイポジションの曲が多く、イマイチな音色になることが悩みでした。原因は、小指を使うためでした。小指でハイポジションを押さえる力が弱いため、音がイマイチになっていたわけです。

小指を使うフレーズを繰り返し練習していましたが、繰り返し練習だけで練習時間を費やすこともできなかったこと、同じ曲ばかり練習するわけではないので、練習始めに対策が取れないかと考えました。

ギターでは色々なポジションでスケール練習を行い、ポジションを覚えることを雑誌か何かで書いてあったので、マンドリンにも取り入れてみようと思いました。ポジションを1stから2nd、3rdと変えて行くとテンションが高くなり弾きにくくなることに気がつきました。これなら小指を含めた左手の強化につながるかもと考え、3rdポジションでのスケール練習を取り入れました。

 

実際に効果はどうか?

複数の音色のなかで目的の音を聴きとること、左手の強化に効果があったと思います。劇的に効果が見えるわけではないですが、振り返ると成長したなと思いました。別の効果としては、あまり使わない3rdポジションを使うので、視覚でポジションを確認する必要がなくなったことでした。これは曲の習得の早さに関連します。もっと鍛えれば初見能力が向上できるのではと考えています(他にも必要な能力、改善すべきことはありますが)。

ストローク練習は、右手首がやわらかくなり、速弾きや音質の改善に効果があると考えますが、イマイチわかりません。先生は音色が良くなったと言いますが、この練習の効果なのかは判断ができません。音色の改善は左手も重要ですからね。

 

最後に

上にも書きましたが、少しずつ改善していきますので、いきなり効果がでることはありませんが、毎日の練習メニューに取り込めば、効果が出てきます。

この練習方法に限らずですが、一度決めた練習方法を続けていけば目的とする効果が出てくるはずです。効果があるかわからなければ録音して確認することも必要と考えます。5分間程度で十分ですので、練習始めに取り込んでみましょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

2019.12からはてなブログを開始しました。2020年もよろしくお願いします。