マンドリンを弾く技術士

マンドリン独奏曲やマンドリンの弾き方、技術士、本などのブログです。

第7回 マンドリン独奏への道 緊張しないで演奏する方法を考える

今回は、自分にとって、というか奏者にとっての課題である緊張対策がテーマです。緊張するから独奏を諦めた方もいます。自分も諦めかていました。今でも緊張しますし、ステージでひどい失敗したことがあります。

自分なりに、どうやって緊張感を克服してステージで演奏するか考えましたので、参考にしていただければ幸いです。

 

 

独奏をする前の悩み

独奏に挑戦する前、先生に師事した頃は、広島のとあるマンドリンオーケストラに所属していました。そのオーケストラでは、1stマンドリンのトップでしたので引っ張る立場でしたが、前面であり観客席から近ため、演奏会のたびに緊張していました。

緊張していたため、ソロパートが弾けませんでした。

オーケストラを退団し、独奏でやっていこうと決めましたが、本心では練習で独奏曲を楽しむくらいでステージは考えていませんでした。

師事する先生の教室に発表会がありましたが、自分は参加しませんでした。

 

ステージに立つ必要性が出てきて緊張対策を考える

しかし、教室に通い始めてから、そろそろ発表会にでてはどうか? と先生から声がかかり、これ以上のレベルアップにはステージの場が必要と考えて、発表会に出演することを決めました。

ステージの場はこんな感じです。250人近い収容能力のあるホールや50名程度のホールで演奏しました。

これらのステージでは緊張を克服し成功したこともあれば、緊張して演奏に失敗したこともありました。成功したこと、失敗したことをとおしてみえてきたこともあります。そのあたりのことについて説明します。

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緊張するとなぜ困るのか

わかる奏者のかたはわかるかと思います。自分の場合、右手が震えてしまいトレモロができなくなります。ステージでトレモロができないと悲惨のものがあります。なんとか立ち直りたいと思ってもステージから降りるまで右手の震えが続きます。

ピッキングならなんとかなりそうですが、トレモロはどうしようもありません。ステージでトレモロができない経験をしたため、対策をする必要がありました。

 

緊張感を克服する方法

緊張するきっかけを把握する

そもそもなぜ緊張するのか把握する必要があります。緊張する人は誰でも何かトリガーがあって緊張するのだと思います。

そのトリガーを見つければ対策がとれます。自分のトリガーは、観客でした。特に知っている人をステージで見つけると緊張します。2017年の演奏会で緊張して失敗し、なぜ緊張したのか考えると・・・演奏前の行為にありました。ステージに入る際に客席をみてしまい、そこに知り合いがいました。かっこいい姿をみせようと無意識に思ったのだろうと思います。

2016年の演奏会では若干緊張はしましたが、満足のいく演奏でした。自分のなかに、独奏をやる優越感があって、余裕を持った感じで客席をみてしまい、その場に知り合いがいたから、反射的というか緊張してしまったのだろうと分析しました。

自分のトリガーは観客席のお客さんを見てしまうことにあると確信しました。

 

緊張対策・・・ステージをこなす手順を決める

観客席をみたのが緊張する理由と分析しましたので、対策は見なければ良いと考えました。具体的には以下のとおりです。

  1. ステージへ入場する際は、ステージの反対側を見つめる。
  2. 準備は、楽譜、譜面台のセットに視点を合わす。
  3. 譜面台の高さをやや高めにセットし、客席が見にくいようにする。
  4. 演奏中は楽譜または指盤に視線を合わす。

この対策により、少なくとも演奏中に観客席のお客さんと視線が合うことはなくなりました。自分の演奏に集中するようにしむければなんとかなるのかなと考えます。ただし、これだけでは不十分かと思いました。

 

日頃から対策(ルーティン)を行う

ぶっつけ本番で対策を行うより、日頃の練習で対策をとるのが良いですね。ルーティンを組めば、ステージで落ち着けます。ルーティンの重要性は演奏家やスポーツ選手で明らかなことですね。

練習中のルーティンは以下のとおりです。

  1. 香りをかぐ。
  2. おじぎをする。
  3. 覚えるまで弾きこなす。

練習で行う対策は、本番のステージで実施可能なものです。ステージでできないと本番で緊張するためです。練習と本番で同じことをすることにより、練習と本番は同じと自分に言い聞かせるわけです。

1.ですが、演奏前にお香をかぎます。本で読んだ知識ですが緊張対策として、プレゼンや演奏の前に3つの行為をすると脳のキャパが埋まって緊張しなくなるようです。

そこで、ステージの上でもできる行為として臭いに着目しました。練習と同じ臭いを嗅ぐことで、ステージは練習と同じだと自分に言い聞かせるわけです。

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 2.ですが、ステージのうえでは挨拶をしてから着席して演奏します。独奏でもオーケストラでも同じです。この挨拶をする行為を練習にするわけです。練習する前におじぎをしてから着席する行為をすることで、練習と本番を同じことだと認識させます。

 

3.ですが、行為とは違いますが、練習は重要ですね。覚えるほど弾ければ音を聴けば自然に手が動きます。これは先生が勧める対策です。覚えてしまうほど弾けば緊張はしないということです。

量に頼ってしまう練習になり、忙しいと弾き込めないときがありますが、覚えてしまうほどの練習は緊張対策として重要かと思いました。覚えてしまえば指盤に集中できますので、結果的に緊張対策になります。

集中による緊張を緩和する方法といえます。振り返ると自分も弾き込み指盤を見て音を聴いているときは集中できています。観客席から咳やくしゃみがなっていることを演奏後にCDで確認できたときがありますが、演奏中は気が付きませんでした。

 

最後に(まとめ)

  • 自分が何に対して緊張するのか確認しましょう。
  • 確認した緊張する行為に対する対策を考えましょう。その対策はステージでできることです。
  • 練習中から対策を行いましょう。
  • 演奏する曲を弾きこんで覚えてしまいましょう。

 

自分自身、まだ緊張対策が完全でないですし、実際にステージでは緊張します。納得できる演奏ができるように緊張に向き合って、演奏したいと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。