マンドリンを弾く技術士

マンドリン独奏曲やマンドリンの弾き方、技術士、本などのブログです。

第6回 マンドリン独奏への道 音を残しながら弾く方法をマスターしよう!!

この記事で6回目+1回目(技術士のカテゴリーで)の記事ですが、はてなブログの使い方はイマイチわかっていません。以前は、Yahooブログをしていましたが、ブログサービスが終わってしまいましたので、はてなブログに移行しました。Yahooブログは消してゼロからはてなブログをしました。

さて、本題に進みます。

マンドリン独奏での必須である「音を残しながら弾く」演奏技術です。デュオ奏法と同じと言われればそのとおりですが、使い分けて説明します。

 

 

音を残しながら弾くとは?

自分で演奏しながらイマイチかと思いましたが、聴いてみてください。


マンドリンソロの練習 音を残しながら弾く練習

演奏している楽譜は、「美しき我が子や何処 主題と変奏曲」の一部です。

この楽譜は下が8部音符で上が16部音符です。8部音符の方に動きがあり、16部音符は8部音符よりも動きが小さいです。

8部音符はテーマを展開したメロディです。テーマのメロディを把握しておくとメロディーだとわかります。デュオ奏法がメロディと伴奏が明確に分離されているのに対し、この楽譜は一つの音符のラインでメロディと伴奏の両方を弾くことになります。このため、自分はデュオ奏法とはわけて考えています。

 

どうやって弾くのか?

8部音符、16部音符が明確に聴こえるように弾くことがポイントです。奏者は楽譜のような音符の流れを弾いても聴いている方はメロディとシングルノートが別々に聴こえるわけです。

ポイントは左手のポジションにあります。8部音符は8部音符として弾く必要があります。8部音符は左手を指盤から離さないようにします。一方、16部音符はすぐに離します。16部音符を弾くように左手をコントロールします。そうすると8部音符と16部音符がそれぞれ独立しているような感じで聴こえます。

これが音を残しながら弾く練習です。

初めのうちは、弾けているかわからないので、8部音符だけを弾いてみて、その後に16部音符だけを弾いてそれぞれの動きを確認するのが良いと思います。それぞれの動きが確認できると耳にメロディが残りますので、イメージしやすくなります。わかったところで、それぞれを合体させてみて練習してみます。右よりも左の動きが重要ですが、メロディの進行がわかれば習得も早くなります。遠回りのような練習方法ですが、急がば回れのとおり、一番の近道だったりします。練習方法はデュオ奏法とほぼ同じです。

マンドリン独奏曲にはこういうパターンが出てきますので、習得して損のないと思います。マンドリンオーケストラしかしない奏者もぜひ練習してほしいです。メロディを弾きながら他のパートの動きを聴くことに十分に役立ちます。

メトロノームを使って練習する方がいいです。楽譜どおりのリズムで正確にひけたうえで8部音符がメロディ、16部音符がリズムに聴こえると、この奏法ができたことになります。

録音してみて確認するのもいいです。自分で第三者視点に立って聴いてみるとわかると思います。

 

どんなマンドリン独奏曲にあるのか?

自分は中野二郎作品を好んで弾きますが、中野二郎作品にはけっこう出てきますね。

「春が来た変奏曲」の一部です。8部音符が動いており、メロディだとわかります。16部音符は動きがなくリズムパートの動きですね。

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 中野二郎さんはこういうアレンジが好きなのか、最初にテーマを提示し、次の展開でアルペジオの頂点がメロディだったり、デュオ奏法にアレンジして展開するパターンが多いです。

弾いている奏者は、理解しないとメロディを弾いているのか、リズムを弾いているのかわからないです。

マンドリン独奏全体に言えますが、イントロ以外でメロディがなくなることはない(ほぼですが)という前提で考えれば、どのような曲の構成か、アレンジをしているのか、作曲をしているのかがわかってきます。

このことが、表現力をつけるうえで重要だったりします。曲の山場がわかりますからね。

 

この楽譜も「美しき我が子や何処」の一部です。

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8部が動き、16部のラの音がリズムの役割を果たしています。

8部を弾いている時に左手の指を動かすと16部音符になってしまい、メロディの役割を果たすことができなくなります。そういう典型的なフレーズです。

無伴奏独奏は、いかにして聞き手にメロディと伴奏を聞かせるかが重要です。この演奏方法やデュオ奏法ができると、リズムが多少崩れても上手く聴こえます。奏者のアレンジなんだろうなぁ と思ってくれるわけです。自分も助かったことがあります。 
 

さらなる発展を目指して

プロの奏者が演奏すると、8部音符のメロディがくっきりと浮き上げり、メロディと伴奏が別々に分離されています。

ここまで弾ければ良いですが、自分もそこまで弾けません。どうやって弾くのかというと、音量のコントロールとピックのコントロールにあります。

8部音符を大きく、16部音符を小さく音をコントロールすると8部音符のメロディの動きが際立ちます。くっきりと浮かび上がっています。しかし、写真のフレーズでテンポを速くすると・・・とてもできません。

ピックはマンドリンの胴に対し、垂直の角度にすると8部音符と16部音符が独立しているように聴こえます。ピックが弦に当たった際のノイズ音が軽減するためです。ノイズが大きいと8部音符、16部音符の音に混ざってしまい、分離が上手くいきません。

ちょっとしたピックのコントロールに気を配るだけでも音質を改善することができますので、練習する時はピックの角度や深さを考えてください。ちなみにピックの深さが弦に対し、浅い(ピックの弦に対する接触面積が小さい)とノイズが小さくなります。ただし、音量も小さくなりますが・・・

 

最後に

 マンドリン独奏を目指す奏者はもちろんですが、マンドリンオーケストラの奏者も役に立つ練習です。自分の演奏しながら周囲の音が聴こえることは奏者としてのレベルアップにつながるからです。

ぜひ練習してみてください。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。