マンドリンを弾く技術士

マンドリン独奏曲やマンドリンの弾き方、技術士、本などのブログです。

第38回 技術士二次試験 後から後悔しないためにも業務経歴票の専門とする事項にも拘って書こう。

 技術士二次試験で最初に業務経歴票を書くことになります。この段階でイメージしにくいですが、口頭試験の問題も考慮して書いた方が良いです。受験する以上は、筆記試験は合格することが前提、業務経歴票は聞かれることを想定します。

 

1.業務経歴票で手抜きしやすい欄

1.1 専門とする事項

 手抜きして書きやすいのが「専門とする事項」です。選択科目は受験者の業務分野があり、選択肢も限られますが、専門とする事項は、多くの選択肢があります。

 受験者は7年以上の業務経験を積んでいるので、複数の専門とする事項があります。そのためか、「これでいいだろう」「どちらかといえばこれかな」とあまり考えずに決めてしまうことが多いと思います。

  

2.口頭試験で困ること

1.1 業務内容と整合性を問われる

 試験管が見るのは業務内容ですが、「専門とする事項」をなぜ専門としたのか? と業務内容で確認しようとします。試験管が疑問をもてば口頭試験で質問があります。

 

 「業務内容と専門とする事項はどのような関係があるのですか?」・・・このような質問が飛んでくることがあります。

 

 業務内容と整合性がない場合、質問されることを想定する必要があります。

 整合性が取れていないと苦しい回答になります。「専門とする事項の業務経験が1年程度なのになぜ専門なんですか?」とツッコミがくると答えに苦しみます。

 

3.整合性をもって専門とする事項を書こう

 対策ですが、業務内容と整合性をとって専門とする事項を書くことです。

 業務内容を書いて、最も経験がある業務から専門とする事項を抽出することが良いです。そうすると整合性がとれます。

 

 専門とする事項は業務内容を書いてから決めた方が良いです。業務内容の詳細から抽出しても良いと思います。

 3月になると業務を棚卸して業務経歴票の記載内容を検討しますが、口頭試験で聞かれることを意識して書きましょう。

第37回 技術士二次試験 不合格の可能性は低くても業務経歴票の記載内容を考えよう。

 技術士二次試験を勉強するにあたり、4月頃に業務経歴票を書くことになります。業務経歴票も受験の一部ではありますが、この段階で落ちることはないと思います。筆記試験後に口頭試験に進みますが、口頭試験の段階で質問されることになります。

 

 

1.技術士としての業務要件

1.1 職務内容について

 滅多に不合格になることはないですが、職務内容として、受験条件の7年間を満たしているか確認されます。過去10年程度の職務内容を棚卸して記載しましょう。

 地位、職名がないと不合格の可能性があると聞きますが、自分の周囲には地位もない人が合格していますので、地位や職名はそれほど重要ではないと思います。

 業務要件で重要なのは、技術士に相応しい業務をしてきたかです。

 

  • 専門とする事項の内容が確認できること。
  • 技術者として責任者であること。

 以上の2点が確認できるように記載します。確認できない場合は口頭試験で質問があると考えましょう。

 

 専門とする事項の内容が確認できることとは、計画、研究、分析といった技術士法第二条の定義にあてはまる業務をしてきたかということです。

 職務内容では、技術士法第2条を読んでから記載しましょう。

 

 技術者としての責任者は、地位や役職があればその役割を書けば問題ありません。地位いや役職がなければ、プロジェクトのリーダーや推進者といった責任がある立場であることを記載します。

 

2.技術的体験論文

2.1 技術的体験論文で書く内容

 技術的体験論文は、業務要件に記載した業務のうち新しい業務をネタにします。責任ある立場で進めたのが比較的新しい業務のはずで口頭試験でも答えやすいと思います。口頭試験を意識して以下がわかるように記載します。

  • 立場と役割
  • 課題、問題点
  • 技術的提案
  • 成果
  • 評価、今後の展望

 

2.2 立場と役割

 簡単に書きます。責任者であることがわかれば良いです。業務内容の経緯も書きます。最初の導入部にあたります。

 

2.3 課題、問題点

 業務内容から課題と問題を記載します。問題点を書いて、その中から課題を書きます。課題とは解決しなければならないことです。技術的提案につながるように記載します。

 

2.4 技術的提案

 課題を解決するために何を提案したのか、どこに着目して技術的提案=解決策を考えたのかが重要になります。 

 試験管が着目しやすいところです。口頭試験に進んだらQAをしっかりと考えましょう。

 

2.5 成果

 技術的提案を実効したことにより、どのような成果が得られたのか記載します。コスト低減効果など数字でわかれば数字で記載します。

 

2.6 評価、今後の展望

 水平展開ができるかどうかなど今後の展望につながることを記載します。

 

 3月頃に2021年度の受験に向けて、業務経歴票の記載内容を検討すると思います。2月頃から業務を棚卸して書く内容を考えましょう。

第36回 技術士二次試験 過去問の勉強方法について

 技術士二次試験は、過去問を勉強することが有効です。同じ問題はでることはなくても過去問を勉強することで合格の可能性が高くなります。

 このあたりのことを説明します。

 

1.なぜ、過去問の勉強が有効か?

 同じ問題が出題されることはありませんが、問題の形式はほとんど変わりません。変わらないから過去問の勉強が有効です。

 問題の形式は、「・・・について、述べよ」とか「・・・の立場で、メリット、デメリットをあげよ」とかの問いかけです。

 問題の形式が変わらないなら、過去問のキーワードを変えれば、予想問題が出来上がります。問いかけごとの回答方法を学んでおけば、論文を組み立てて回答を書くことが早くなります。早くなれば誤字脱字はもちろんですが論文の精度もあがり合格の可能性が高くなります。このため、過去問は有効です。

 

2.過去問の勉強方法

 過去問は、3年分程度準備します。日本技術士会に過去問がアップされていますので、そこから過去問を確認しましょう。

 キーワードを準備します。キーワードは受験する部門の最近の状況から出題される可能性の高いものを考えておきます。

 過去問(専門、応用、課題)のキーワードに準備したキーワードを貼り替えます。これで予想問題が出来上がります。専門の問題なら簡単にできると思います。

 出来上がった予想問題の回答を作成します。キーワードが多くなるほど予想問題も多くできます。

 

 専門の問題はこの方法が特に力を発揮します。問題の形式がほとんど変わらないからです。応用や課題は最近の問題の形式を確認しておきましょう。同じ部門の他の科目の問題もみておくのも有効です。問題形式が変わる場合、他の科目に合わせることが多いためです。

第36回 技術士二次試験 筆記試験のネタを探してみよう

 技術士二次試験の筆記試験は、3月から6月にかけて問題を作成すると聞きます。前回の筆記試験以後から春頃までに話題になったことが問題になりやすいです。

 

 筆記試験の問題を予想するうえでは、話題になったネタを探す必要があります。ネタ探しのコツは、受験者に平等であることがあげられます。特定の人しか知らない情報は、筆記試験に出てくることはないと考えます。

 

 受験者の誰もが確認できるネタとなると、受験部門の業界の学会誌、業界新聞、白書、公共機関の報告書などがあります。問題作成者なら学会誌や白書などは必ず目を通しているはずですので、特に目をつけておきます。

 

 数年の過去問を確認するのも重要です。1,2年前の問題が出題されることは少ないですが、応用問題から専門問題へと形を変えて出題されることはあります。さらに、応用問題や課題解決の問題に出される可能性は少ないので、ネタのなかに数年前までに出題されたものがあれば、外して絞り込むこともできます。

 

 部門によりますが、内閣府のホームページや日本学術会議の報告書も出題されることがありますので、チェックしておきましょう。

 ネットに公開される報告書などは、出題されるケースもしばしばあります。自分が受験したときは日本学術会議から問題が出題されました。この時に日本学術会議というものがあるということを知りましたが・・・遅かったですが。

 

 ネタを集めたら、まとめておきましょう。キーワードの勉強後に予想問題を作成するのに役立ちます。3月,4月までのネタを集めておけば問題ないと思いますが、6月もチェックしておきましょう。後で役にたつはずです。

第35 回 技術士 仕事しながら技術士の勉強をしよう。

 技術士は、多くの人が社会人になってから受験しています。7年間の業務経験で受験資格を満足する方が多いからです。仕事をして帰宅後に受験勉強するのは大変です。毎日続かない受験者も多いと思います。

 そこで仕事をしながら技術士の勉強する方法を説明します。

 

1.前提

 「仕事をしながら」と言っても仕事をさぼるわけではありません。 

 多くの受験者は、自身の業務に関連した部門、科目を受験します。ここが前提です。前職の業務の部門で受験する方もいますが、論文を書くため、多くの受験者が業務と関係が深い部門、科目で受験します。

 もし、業務と異なる部門を受ける前提でしたら、ここに書くことだと不足することになります。

 

2.仕事をしながらキーワードを学ぶ 

 技術士試験では、キーワードを整理して論文を書けるほどに理解することが重要です。

 このキーワードは、仕事をしながら学びます。業務に関連した部門や科目のため、試験に出てくるキーワードは多くでてくるはずです。部門に関連する法規則、専門誌、学会誌などキーワードが眠っている資料が机上にころがっています。

 これらのキーワードを拾っては、論文が書けるまで理解します。資料を作成するためにキーワードを深く調べたり、会社の上司や仲間と議論することも仕事になります。調べるでインプット、議論、資料作成でアウトプット・・・キーワードについて詳しくなってきます。

 300個以上のキーワード全てに対してできなくても100個程度はできます。仕事の中でキーワードは多く出ていることに注意しましょう。

 

3.深く資料作成してみる

 論文対策です。資料を深く作成してみることです。

 社内資料は、箇条書き等の浅く書いても読まれますし、通じます。箇条書きで簡単に書きますと二次試験は落ちます。

 そこで、論文を意識して、結論+理由+説明の3段書きで書いてみます。注意したいのは、時間がかかりますので、業務のスピード感は意識しましょう。

 社内資料は、箇条書きで簡潔に求められることが多いので、論点を整理する位置付けの資料にします。このようにして論文の書き方を学びながら仕事をします。

 本番は手書きですので、手書きの練習もする必要があります。論文の書き方がわかれば良いと考えましょう。

 

第34回 技術士試験 勉強方法は独学か通信教育が良いのか?

 技術士の勉強方法は、独学や通信教育があります。どのような勉強方法を採用し合格を目指すべきか説明します。

 

1.独学

(1)メリット

  • マイペースで勉強を進められる。
  • 受験コストが安い 

(2)デメリット

  • 手応えがつかめない。
  • 理解できないことが解決できない。

 

2.通信教育

(1)メリット

  • サポート体制が充実
  • 受験問題の傾向が見えてくる。

(2)デメリット

  • 受験する部門によって、必ずしも充実していない。
  • 費用が高い。

 

 独学と通信教育の主なメリット、デメリットをあげてみました。メリット、デメリットを基に受験部門によって選択する勉強方法を考えてみます。

 

3.独学か通信教育のどちらを選択すべきか?

 受験する部門によって独学を選択するか通信教育するか選択肢が変わります。

 受験者が多い部門は、通信教育も充実しています。技術士を所有している講師が丁寧にサポートします。受験問題の想定も精度が高いです(その分、問題も難易度があがりますが)。

 受験者が少ない部門は、通信教育のサポート体制が整っていないのが実情です。受験部門の下にいくつかの科目があり、その科目で合格した技術士が想定問題を作りサポートしてくれれば良いですが、受験者が少ないと講師がいません。

 

 受験者が多い部門は選択肢も増えます。予備校や社内の勉強会という手段も選択肢にあげられます。選択肢が多いため、自分の生活習慣を考えて時間があり短時間で合格を目指すなら通信教育が良いです。お金があり、通勤範囲内に受験予備校があれば学校で勉強する手段もあります。

 受験者が少ない部門は、独学が良いです。通信教育も可能ですが、想定問題が本番の問題と大きく異なるなどの問題があるとお勧めはできません。独学では勉強が進まないから通信教育を受ける場合は添削のみの最も安いコースを受講した方がよいです。

 

 自分は受験者が少ない原子力放射線部門の放射線防護を受験しました。通信教育を受講しましたが、講師が放射線防護を理解していないことが問題、添削でわかったので独学で勉強し合格しました。

 受験する部門の受験者数は、日本技術士会に公開されていますので参考にすれば良いと思います。受験部門を調べてからどのような勉強方法を採用するか考えましょう。

第33回 技術士二次試験 口頭試験の実務能力の想定問題を作成しよう。

 あけましておめでとうございます。

 新年最初の記事は、口頭試験の想定問題についてです。今年度に口頭試験を受験する方は正月も勉強していると思います。その助けになれば幸いです。

 

 技術士二次試験の口頭試験の配点は以下のとおりです

1.技術士としての実務能力:60点

  • コミュニケーション、リーダーシップ:30点
  • 評価、マネジメント:30点

2.技術士としての適格性:40点

  • 技術者倫理:20点
  • 継続研鑽:20点

 

 実務能力の配点が高く、その分、問題も多く出されますが、適格性も合格レベルに達しないと落とされてしまいますので、実務能力、適格性とも想定問題を作っておく必要があります。

 

1.コミュニケーション、リーダーシップの想定問題

 実務能力は、主に受験者の履歴、論文及び筆記試験の回答から質問されます。この中からコミュニケーション、リーダーシップ、評価及びマネジメントに関する質問があります。筆記試験の回答からコミュニケーションやリーダーシップの問題を作るのは難しいかもしれませんが、履歴、論文及び筆記試験からコミュニケーション、リーダーシップ、評価及びマネジメントの問題を作ります。

 

 口頭試験のコミュニケーションとは何か? 

 日本技術士会のホームページには以下の記載があります。

  • 業務履行上,口頭や文書等の方法を通じて,雇用者,上司や同僚,クライアントやユーザー等多様 な関係者との間で,明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。
  • 海外における業務に携わる際は,一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え,現地の社会的 文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。

 上記の2点を踏まえて想定問題を作ります。2つ目は海外におけるとありますので、海外勤務の経験がなければ1つ目が主に質問されます。

 「明確かつ効果的な意思疎通を行うこと」とありますので、履歴や論文からどのように上司や同僚と意思疎通を行ったか答えれるように整理します。整理ができれば、想定問題を作成します。

 例えば・・・

  • 履歴書の●●の業務について、どのように意思疎通をはかったか説明してください。 

 というように想定問題を作成します。整理したことを回答にします。

 

 次にリーダーシップです。

 日本技術士会には以下の記載があります。

  • 業務遂行にあたり,明確なデザインと現場感覚を持ち,多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。
  • 海外における業務に携わる際は,多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに,プロジェクト 等の事業や業務の遂行に努めること。

 

 コミュニケーションと同様に想定問題を作ります。「多様な関係者の利害等を調整し取りまとめる」とありますので・・・

  • 論文の業務について、どのように多様な関係者の利害を調整したのか?」と想定問題を作ります。

 

2.評価、マネジメントの想定問題

 日本技術士会に「評価」について、以下のとおり解説があります。

  • 業務遂行上の各段階における結果,最終的に得られる成果やその波及効果を評価し,次段階や別の 業務の改善に資すること。

 「成果や波及効果を評価し、次段階や別の業務に資すること」が聞かれそうです。

 例えば・・・

  • 論文の業務の成果や波及効果を説明してください。
  • 次に別の業務の改善に適用したことがあれば説明してください。

 というように聞かれます。論文だけじゃなく筆記試験の回答からも問題を考えましょう。

 例えば・・・

  • この回答について、別の業務ではどのように改善することが考えられますか?

 というように想定問題を作成します。 

 

 マネジメントは以下の解説があります。

  • 業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において,品質,コスト,納期及び生産性とリス ク対応に関する要求事項,又は成果物(製品,システム,施設,プロジェクト,サービス等)に係 る要求事項の特性(必要性,機能性,技術的実現性,安全性,経済性等)を満たすことを目的とし て,人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。

 長々と書いていますが、資源の配分に着目して問題を作ります。

 例えば・・・

  • 論文の業務について、人員や予算について、どのような考えで配分しましたか?

 と想定問題を作成します。

 

3.ポイント

 想定問題のヒントは、日本技術士会のホームページにあります。試験制度改正のページなどを読んでおくと聞かれそうなことが見えてきます。

 やみくもに問題を作らずに、何を求められているのか考えると効果的な想定問題が作成できます。試験制度改正後、口頭試験の回数が少ないので試験経験者も少ないですが、背景を考えれば質問も見えてきますので、合格確率を高めて勉強しましょう。 

 

第32回 技術士に合格するまでの勉強にかかるコストはいくらか?

 技術士試験に合格するまでのコストはどの程度かかるのか説明します。勉強方法によって、コストも変わりますので参考にしていただければ幸いです。

 

 

1.前提条件

  • 受験回数1回の一発合格
  • 勉強方法は、ネットや手持ちの参考書を使ったケース、参考書を購入して勉強するケースおよび通信教育で勉強するケース
  • 宿泊費や交通費は含まない。

 

2.一次試験

 日本技術士会に受験手数料が公開されています。受験手数料は11,000円です。1回目の受験で合格すれば11,000円ですみます。

 独学で勉強するなら、過去問やネットで回答例などの検索、書籍で勉強します。基礎や適正科目の参考書なら3,000円前後で売っています。専門科目の参考書は部門によってあったりなかったりしますが、4,000円前後が相場だと思います。

 部門によって参考書が売ってないケースもありますので、通信教育も勉強方法です。通信教育は、期間や会社によって様々ありますが、3ヶ月で添削のみなら25,000円程度です(同じ会社の受験者は某センターで25,400円でした)。

 

 独学のみでネット中心などで勉強すると11,000円、通信教育までやれば36,000円です。おそらく参考書を買って勉強する受験者が最も多いと思います。参考書2冊買えば、18,000円程度の費用です。

 

3.二次試験

 一次試験と同様に日本技術士会から受験手数料が公開されており、14,000円です。

 独学で勉強する場合、公開されている過去問などで勉強します。キーワードは手持ちの参考書や過去問、ネットで調べることが中心になります。参考書は3,000円から5,000円程度が相場のようです。キーワードのみなら安いですが、論文の書き方まで含めると高くなる傾向があります。

 論文は、論文専門の図書を購入することがあります。自分も買いました。論文のみの図書は汎用性があるためか、比較的安いものがあります。2,000円前後の図書でも十分です。

 通信教育を受講する場合は、コストが上がります。スクリーニングの有無、添削の回数でピンキリです。添削コースのみなら43,000円くらいです。自分が過去に受講した添削3回のコースは35,000円くらいだったと思いますが、添削回数が4回になり、その分コストアップしていますね。最も高いコースで190,000円程度です。スクリーニングも5回程度、添削も10回以上あります。

 

 受験手数料のみで参考書は手持ちで勉強する場合は14,000円、通信教育を受けると57,000円から204,000円程度、さらに参考書などを買えば膨らみます。

 

4.まとめ

  • 公開されている過去問や手持ちの参考書を使って勉強するケースはコストが抑えられます。一次試験と二次試験を合わせて受験手数料のみで25,000円で合格できます。
  • 一次試験で参考書2冊購入、二次試験で論文の参考書を購入するケースでは、受験手数料25,000円に参考書代10,000円程度が加わり35,000円
  • 通信教育を受講する場合、一次試験+二次試験の添削のみなら68,000円が受験手数料に加算します。合計で93,000円です。
  • 二次試験の通信教育でスクリーニングなど最大限にすると215,000円程度で、受験手数料が加算され240,000円です。なお、通信教育も会社、コースによってコストは変動します。

 

 勉強の組み合わせでコストは変動します。さらに受験回数がかさむと受験手数料分が最低限加算されます。

 勉強方法や受験計画を考えてコストも考慮して合格を目指しましょう。

 

第31回 技術士二次試験 1月から勉強すれば合格できる。早く勉強を開始した方が合格できる。

 2020年も終わり、2021年が始まります。

 そろそろ技術士二次試験の勉強を始める方、まだ始めていない方、すでに勉強している方・・・がいます。技術士二次試験は早めに勉強をした方が良いです。今回は、早めに勉強することを説明します。

 

1.答えれる問題は半分程度だった

 自分は12月から勉強しました。6回目の受験で筆記試験に合格しましたが、それまでにそれなりに知識を積み重ねたつもりですが、論文が書ける問題は半分程度でした。

  • 専門問題 4問のうち論文が書けるほどの知識があったのは2問
  • 応用問題 2問とも論文書ける問題
  • 課題解決 2問のうち1問が論文を書ける問題

 このように12月から準備したにも関わらず、半分程度しか書けない問題でした。専門科目なら4問とも書けてもよいはずですが、2問しか書けませんでした。

 

2.合格するのに必要な期間はどのくらいか?

 12月から勉強を始めると、だいたい以下のスケジュールでした。

  • キーワード300個程度 12月〜3月 約4ヶ月
  • 受験申込書(論文)    3月〜4月 約1ヶ月
  • 論文テーマ検索      5月      約1ヶ月
  • 論文練習         6月〜7月 約2ヶ月

 6回目の受験であり、積み重ねた知識もありますが、これでも不足気味かなと感じます。論文の練習は時間が足りないと感じていました。

 1日あたりの勉強時間にもよりますが、1〜2時間/日として8ヶ月程度の勉強時間が必要だと考えます。

 

3.勉強量の目安

 合格に必要な勉強量を考えてみます。

 キーワードは、300個を目標に勉強します。300個が合格レベルというわけではありませんが、専門問題に対応はできます。

  • 20分/個×300個=6000分
  • 6000分÷60分/時間=100時間
  • 100時間÷1時間/日=100日 

 1日1時間程度の勉強時間で約3ヶ月必要になります。

 受験申込書は、口頭試験に必要なことから、きちんと書く必要があります。論文は質問されますので、テーマを決めて論理的に書くのに1ヶ月程度は必要です。

 論文の練習は、想定問題の抽出、問題の作成、回答の作成の手順で勉強します。

 想定問題の抽出は、6月頃までにニュースになった出来事や公開論文等からテーマを抽出しますが、それなりに時間がとられます。問題の作成は過去問にキーワードをあてはめていくことが基本的な作成方法です。キーワードとテーマが充実していれば簡単に作成できます。

 作成した想定問題の回答を作成していきます。この一連の勉強は、受験本番まで続けることになります。3ヶ月程度はほしいですね。

 こうやって見積もると7ヶ月程度は必要かと考えます。

 令和3年度の筆記試験は、7月11日と日本技術士会から発表されていますので、勉強を開始するタイミングは1月がギリギリです。

 

 1日あたりの勉強時間を増やしたいところですが、趣味や仕事に時間がとられますので、多くても2時間/日で見積もった方が良いです。

 

 計画どおりに勉強できないことが当たり前のことと考え早めに勉強を開始した方が良いです。初めての受験でも技術士を受験する方なら、ある程度の知識もありますので、今から勉強しても合格できます。頑張って勉強しましょう。

 

第30回 技術士二次試験 口頭試験の雰囲気はどんなものか?

 技術士二次試験は、筆記試験に合格すると口頭試験・・・面接ですね。緊張感満点の口頭試験があります。口頭試験に合格しないと技術士にはなれませんが、不合格になると筆記試験からやり直しです。

 このため、一発合格を目指す必要があります。面接官の出す質問に答えていけば合格できますが、面接の雰囲気を知っておくとイメージしやすくなります。イメージが出来ると落ち着いて受験できます。

 そのあたりを説明します。

 

1.会場

 会場は今後も渋谷のフォーラム8だと思います。

 渋谷の目印、109を通過するとすぐにフォーラム8が見えます。

       f:id:hiromandolin:20200112224707j:plain

 フォーラム8の目の前です。結構古いビルです。見落とすことはないと思いますが、事前に1を確認した方が良いです。

       f:id:hiromandolin:20200112224900j:plain

 

2.会場内外での過ごし方

 余裕をもって到着するのにこしたことはありません。

 到着したら受付を済ませて控室に移動します。控室は会議室です。控室内には時間帯にもよりますが10人前後の受験者がいます。

 控室内で勉強することになりますが、控室が嫌なら、近くのカフェでも良いと思います。フォーラム8内にもカフェがありますが、自分が利用としたときは閉まっていました。

 受付から控室の間に口頭試験が行われる会議室があり、試験の様子が聴こえてきます。会議室の前には次の受験者が椅子に座り順番を待っています。緊張している様子がわかるかと思います。

 

3.口頭試験が始まったら

 受付の方から声がかかったら、会議室の前の椅子に座り待機します。だいたい10分前くらいに声がかかると思います。

 試験管から「どうぞ」と声がかかったら、入室します。入室したら、試験管から名前と受験番号をどうぞと言われ、答えてから一礼します。ここらへんは就職試験と同じです。

 試験管は2名程度で、両者とも技術士か大学関係者、文科省の関係者かと思います。出身はどうあれ、質問されることは同じですので気にする必要はありません。

 回答はゆっくり喋る方がいいですが、本番ではそうもいってられないと思いますのでマイペースでも良いです。試験管が聞き取れなければ聞いてきますので。

 

4.口頭試験が終わったら

 倫理のことを聞かれると口頭試験は終盤です。ここをクリアできれば口頭試験も終了です。試験時間は20分ですが、合格だと判断されると20分以内で終わります。試験が終わったら時間を確認し20分以内なら合格だろうと確信して良いです。時間に関係なく手応えはあるかとは思いますが。

 試験が終われば、椅子から立ち上がり、一礼し「ありがとうございました」と言って退室します。最後に退室間際に一礼しても良いです。自分もそうしましたが、試験管が見ていませんでした。

 終わったらフォーラム8から出ましょう。自分は最後の受験者でしたので、終わった時は渋谷も陽が落ちていました。羽田に移動し航空便で帰りました。

 

 口頭試験の受験者に役にたってもらえれば幸いです。

第28回 技術士二次試験 口頭試験で落とされる可能性がある技術士としての適格性の問題に注意しよう。

 2020年度の技術士二次試験の口頭試験が始まり既に受験した方、これから受験される方がいるかと思います。

 口頭試験では、筆記試験の答案や論文が重点的に質問されますが、注意しないといけない質問があります。注意しないといけない質問に答えられないと不合格の可能性もあります。

 

 技術士としての適格性が要注意です。配点は低いため、1,2問程度しか問われることがないですが、答えられないと不合格になります。配点が低いため、1問の重みは大きくなります。

 

1.技術者倫理

 倫理は、日本技術士会のホームページにある技術士プロフェッション宣言技術士倫理要項が問われることが多いです。特に技術士倫理要綱が問われやすいです。倫理要綱は、書いてあることをQAに展開すれば問題ないと思います。

 やっかいなのは、受験者が所属する会社の倫理を問われることです。公益の利益の優先や法規の遵守などに絡めて質問してきます。

 所属する会社のコンプライアンスCSR制度など倫理に関する制度が必ずあるはずですので、整理することをお勧めします。所属する会社の倫理を答えられない受験生はけっこういます。

 

2.継続研鑽

 技術士試験を受験する方なら日頃から勉強していますが、組織として継続研鑽の仕組みがあるかどうか聞いてくることがあります。「ありません」と答えると不合格の可能性が高くなりますので、所属する会社でどのような継続研鑽の仕組みがあるか調べて整理しましょう。

 どこの会社にも受験代補助や技術士受験の受験回数の無制限など受験生を支援する制度があると思いますので、このような支援制度を答えても大丈夫です。勉強するのは自分、会社がサポートするということも継続研鑽の仕組みとして認知されています。

 会社で勉強会があると答えるのも良いです。何らかの組織の関与があり継続研鑽を続けられるということを答えることができれば大丈夫です。

 

3.その他

 受験動機は聞かれやすいので答えられるようにしましょう。

 自分に箔をつけるためといった答えはアウトです。社内で技術士が必要とされているから、受験したという答え方が良いです。上司からの指示ということではなく自発的に受験したということを答えるとさらに良いです。

 

 技術士としての適格性は、落とし穴がある質問がくることがありますので、きっちりとカバーしときましょう。